カレーは誰もが知っているとおり、インドの伝統的な料理です。
しかしインドには元々、料理の名前としてのカレー(curry)という言葉は
存在していませんでした。
「curry」という言葉の語源にはいくつかの説があります。
特に有名な説は次の2つです。
1つめは、タミール語で「ご飯にかけるタレ状のもの」という意味の
「カリ(kari)」という言葉を、西洋人が料理の名前と勘違いしたという説。
2つめは、ヒンディー語で「香りの良いもの」「美味しいもの」という意味の「ターカリー」という言葉を、これもやはり西洋人が料理の名前と勘違いしたという説です。
他にも様々な説がありますが、どの説が正しいのか、はっきりしたことはまだ分かっていません。
しかし、料理の名前としての「curry」という言葉は、西洋人が初めて使い始めたのは間違いないようです。
「curry」と名付けられた料理は、現在ではインドだけでなく、東南アジア、日本、ヨーロッパ、アメリカなど、世界各地で食べられるようになりました。
日本では明治時代以降に広まった、比較的歴史の浅い食べ物であるにもかかわらず、既に日本人の食生活にはなくてはならない「日本料理」として定着しました。