「奇跡のりんご」が映画化され、間もなく公開されるとあってラジオでも
 
試写会を観た感想や、リンゴを育てた主人公「木村秋則 さん」の書籍なども
 
話題になっていました。
 
無農薬栽培だけでなく、肥料も与えない栽培が注目され…今ではネット販売も
 
5分で売り切れ、手に入らない「幻のリンゴ」になっているそうです。
 
 
 
私も農薬栽培を続けていますが、無肥料栽培ではありません。
 
果樹も良い実をつけるには、肥料に変わる何かが必要な気がするのですが
 
最近は高齢化などで果樹を植えた菜園も、収穫猿ことは無く放置されるように
 
なってきました。
 
信州でも手入れされないリンゴ園が、和歌山では急坂のミカン畑が、こちらでは
 
柿畑が生い茂った雑草に覆われ放置されています。
 
手入れされていないので、もちろん無肥料無農薬栽培になります。
 
収穫されず熟れ過ぎて、野鳥に食べられたり落果したりしています。
 
 
 
 
私の村でも20年以上も、農薬も肥料も与えられていない柿の木があります。
 
イメージ 1
 
(20年以上も放置された柿の木ですが、今年もいっぱい成っています)
 
 
民家に隣接するところに植えられ、草刈りは続けらていますが実は鈴成りに
 
成る年もあります。
 
それを見て…果樹も無農薬栽培でも収穫できると思い、数年前からは
 
果樹も原則的には無農薬栽培です。
 
私はイラガに過敏に感じてしまう体質で、イラガが大発生したときは農薬を
 
使います。  でも柿の大敵「ヘタ虫駆除」はしません。
 
だから減農薬栽培を始めると…樹齢22年の2本の富有柿の木で゛、たった
 
15個しか収穫できなかったこともありました。
 
農薬を使う前は、スーパーのショッピング篭に2杯は採れていました。
 
それに昨年から隣接するところにビルが建ち日陰になる時間が長くなって、
 
甘柿なのに甘味が足りない実まで混じるようになりました。
 
「美味しい柿」というのは…肥料より日照時間と深い関係がある証明に思えて
 
なりません。
 
 
 
 
 
青森を旅したとき、県内で栽培されているリンゴは400種と言う説明に驚いたの
 
ですがなんと世界には数千~10000品種も存在するとか。
 
そして世界一の栽培国は…中国です。
 
これだけ品種改良が進むと、バラと同じで農薬散布しないと生きていけない
 
品種が多くなっている気がします。
 
リンゴの原種に近い「和リンゴ」が長野県飯綱町で栽培を続けているそうで、
 
滋賀県でも「彦根リンゴを復活する会」が野生種に近いリンゴを育てているとか
 
私は、植物は品種改良されたものより原種や野生種が好きです。
 
また無農薬栽培や無肥料栽培は、誰でもやろうと思えばできます。
 
でもそれが言えるのも出荷する立場に無く「趣味の栽培」なのかもしれません。
 
 
 
いころ、山で自然に生えて実をつけていた山栗、山ビワ、キイチゴ類、
 
山柿どを採って食べた私は、これも「自然の恵み」の1部という感覚でした。
 
実家が建てられたときに庭に植えられた甘柿は、家の屋根を超える
 
老木になり、これは農薬散布は不可能な大樹でした。
 
リンゴと柿を同じように考えられないとは思うのですが…昔は農薬を
 
買う費用も作れず、人糞を肥料にするような時代ですから、今のように
 
何度も農薬を使うと言う考えも少ない時代だったのです。
 
そういう時代を経験したからこそ、何の抵抗も無く私は無農薬栽培を続ける
 
気になったようにも思います。
 
 
 
 
放置された果樹でも、収穫はできるのですから「奇跡」という表現は適切
 
では無く、「不可能を可能にした栽培」と言うのもオーバー過ぎる表現のような
 
気がするのですが、どうでしょうか?
 
まして「世界で初めて、リンゴの無農薬無肥料栽培成功者」と表現するのは、
 
あまりにも誇張した表現で、別の意味での「営利の影」を感じたりします。
 
木村さんは今リンゴ栽培より講演活動が忙しいと聞きますが、
 
無農薬栽培の苦労を経験して賛同する部分も多いと思いつつも、
 
この栽培法を取り入れているのは木村さんだけでは無い気もします。
 
 
「奇跡のリンゴ」の本や映画を批判するつもりは無いのですが、今回の上映で
 
無農薬栽培のことも1人でも多くの人が関心を持ってくれるといいなと思います。
 
そして日本が農薬使用大国になってしまったのも、消費者側の責任もあったと
 
いうことを…考える良い機会なのかもしれません。