憲法学者が誰も日本国憲法無効論を主張しない理由は『何故、憲法学者は誰も無効論を主張しないのか?』に書きました。
では何故国民のほとんどが、日本国憲法が有効だと主張するのでしょうか?
総理大臣も、政府も国会も日本国憲法が有効だという前提で議論をしているように見えます。
多くの人が有効というのですからやはり日本国憲法は有効なのでしょうか?

答えはです。
『無効論と地動説』でも書きましたが、くの人が信じているからと言って正しいとは限りません。
それではなぜ憲法として無効である日本国憲法を多くの日本人が有効だと勘違いしてしまっているのでしょうか?

まず第一に。
日本国憲法は現在も運用している。
というのが理由と挙げられます。
東京裁判などは、遥か昔の出来事であり起訴された方々は処罰されていて『過去』のこととなっています。それを批判・否定することは容易いです。
それに比べて日本国憲法は現在も実際に運用されているのでこれを否定することは勇気が要ります。多くの日本人が無効論に踏み切れない理由と言えるでしょう。


第二に。
学校で使用される教科書です。
『何故、憲法学者は誰も無効論を主張しないのか?』にも書きましたが、憲法学者によって教科書にある日本国憲法制定過程は捏造されています。
少なくとも正しく詳細な制定過程は伏せられ、まるで日本国憲法は日本人が作ったような印象を与える作りとなっています。
酷い教科書になるとGHQの「ジ」の字も出てきません。言うならば占領中の言論統制の状況そのままなのです。

こんな教科書で勉強した教師が、こんな教科書を使って学校で教育するのですから、日本人のほとんどが日本国憲法が有効だと勘違いするのは当然の結果です。
自分で相当調べなければこの呪縛から逃れる事は難しいと思います。
この第二の原因が、国民のほとんどが日本国憲法を有効だと勘違いしている最たる理由でしょう。


第三の理由として。
日本国憲法改正派の存在が挙げられます。
現在の日本国憲法のままではイケナイというところまでは良いのですが、彼らは日本国憲法改正を主張することが保守・愛国と勘違いしてしまっています。
日本国憲法の護憲論でも改正論でも「日本国憲法が有効である」という前提の上に成り立っています。
日本憲法改正論者は、日本国憲法無効宣言が成立してしまうと、その前提が崩れてしまい日本国憲法を改正することができなくてなってしまうと考え、日本国憲法無効論を否定し攻撃します。
そして護憲派と一緒になって『GHQの作った日本国憲法は有効だ!』と叫んでしまいます。
もはや国のことより自分の主張の方が大切かのように。
このことも日本国憲法が有効だと主張する方が大勢いる理由の1つです。


繰り返しになりますが、くの人が主張しているからと言ってそれが真実とは限りません。
日本国憲法が帝国憲法と国際法に違反していることは、曲げることができない歴史的事実です。
多勢の意見に流されることなく歴史を正しく学び真実を見つめることが大切だと思います。