法華寺 門跡 久我高照尼のお言葉 | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
福祉的な目線から心の問題を考えています。

3年前の10月31日、
奈良時代に総国分尼寺として創建された
法華寺門跡の久我高照尼公様が
老衰によりご逝去されました。
70年以上、ご住職をお勤めになられた方です。

私は『僧力結集』という本で御門様に
インタビューをさせて頂きました。

御門様には、
女性にとって大切な「慈悲の心」
というテーマでお話をして頂きました。

「法華寺小池御流」の家元であり、
また、書道や絵画をたしなまれる文化人でもありました。

上品な御言葉遣いでお話くださったことを覚えております。

ここからは再掲載となりますが、『僧力結集』の

御門様のインタビューページより
一部を抜粋しご紹介させて頂こうと思います。


「現代社会に大切な慈悲の心」について


「慈悲の心」は人にとって一番核となる大切なことです。



女性なら、やさしい気持ちを持った人でないといけません。

そして、やさしい、心立てのいい人を育てるということだと思います。



その心を持つことは、病人に対しては労わってあげること、

治すということになっていきますし、

丈夫な人は弱い人を助けるという心を持ち、

人と人が助け合う世の中になっていくことにつながります。



それが大切な「慈悲の心」を持つということです。



昔は隣近所の人が、子どもたちが悪いことをしていたらダメですよ、

と言い聞かせていましたよね。



今はそれができない時代ですが、大切なんですよね。

地域の人は大切です。

他人さんでも人の目から見たらいけないことはいけないんですからね。


今後どのように地域社会を築いていけばいいのかは難しいことですが、

まずは親からはじめていかなければ、変わることはできませんよね。


親は小さい頃から人をいじめたり、

悪いことをしてはいけないと言い聞かせて育てて頂きたいです。

親が何も言わないと子どもはそのままいくんですよ。

小さい時からやさしさを持って躾をしていくことが大事だと思います。



手を合わすということが忘れられてきている時代です


―今の社会では慈悲の心を見失いがちです。信じる心が大切なのではないかと思います。



それぞれご家庭には神様にせよ、仏様にせよ、祭っておられると思います。

祭っておられないお家の方も多いかもしれませんが。


御先祖様を祭るということは、

何故今日、

自分の命があるのかということに気づいていくために大切なんです。


御先祖様がいてずっと続いているわけですので、

それを無視するのはよくないです。


私たちは心から手を合わすということをしていきたいものです。

感謝の心ですね。

感謝がないとは何事も良くないですね。

食事をいただくにしろ何にしろ、感謝がなければね。


手を合わすということが忘れられてきている時代です。

拝むということは御先祖様を大事にするということです。


神様仏様を両方祭られたらいいことなんですけれども、

毎日お祭りしているところへ行って手を合わせ、

喜びの言葉を述べて心で向かいあいたいものです。