※3年前に開催されたフォーラム
―第12回 京都大学地球環境フォーラム―
「幸福」の価値観と次世代環境人材育成
のレポを順次再掲載していこうと思います。
プライベートでブータンの話題が出たのをきっかけに
思い出して読み直したのですが、個人的に勉強になったので
まだ読まれていない方はよろしければどうぞ。
京都大学大学院地球環境学堂
環境人材育成コンソーシアム幹事
日本GNH学会理事
松下和夫氏の講演からのレポのつづきです。
ブータン経済
◆一人当たりの国民総所得は1,920米ドル(世界銀行,2010年)
・低中所得国
・ただし自給自足経済はカウントされていない
◆国勢調査(2005年)ではブータン国民の約97%が「幸せ」と回答。
◆以下は各国の対ブータン経済協力実績
(支出純額ベース、単位:百万ドル、ODA白書2010年)
2005年から2008年までのデータです。
2005年1位、デンマーク、2006年から2008年の2位は日本
2005年2位、日本、2006年から2008年の2位はデンマーク
3位、4位にはオランダ、スイス、オーストリアなど
(自分で表を作成してココに貼りつけたら記事投稿ができませんでした。。何故?)
課題10万人、道路工事、ダム工事、低賃金
◆外国人(インド人、ネパール人)労働者の存在
◆気候変動への脆弱性
(氷河湖法会の危機)
◆野生生物による被害
(野生生物との共生?仏教の教えでは殺生はしない)
◆都市集中と過疎化
◆食料自給率の低さ(自給自足農業)
◆インフラ整備の困難さ:送電線、自動車道路網
(建設と維持管理に莫大なコストがかかる)
◆経済基盤の脆弱性:外貨収入の大部分は水力発電による
水力発電
◆日本の援助は小規模水力(200KW程度)に特化
◆ダム変動による氷河湖崩壊の恐れ、
モンスーン雨量の変動・異常気象の可能性
◆大規模水力の自然環境への影響?
◆開発ポテンシャルは16,000MW、現在はその3%(448MW)
◆水力発電の売電収入(対インド)が輸出の4割
評価できる点
◆上からの民主化
◆GNHをコアに政策統合を実現
◆国際情勢や世界の最先端知を鋭敏に吸収・適応
・1999年までテレビ放送、インターネットを解禁していなかった
・和魂洋才のブータン的適用
◆グローバリゼーションへの選択的対応
◆外国からの援助に対し、強い自立性(ODA白書)
◆リーダー層の知的レベル、リーダーシップ意識の高さ。
国を思う意思とビジョン
◆英語による教育(+ゾンカ語による国語教育)
→ただしマイナス面もある
◆高い教育・医療水準(教育費・医療費無料)
上からの民主化。
2008年に絶対君主制から立憲君主制への移行しました。
国民から民主化を望む声があっての移行であれば、
必ず何かしらの争いごとがあったはずですし、
このことはブータンの国民性や
「幸福」度の高さを表しているように思いました。
「幸福」の価値観とは!?
共通のテーマで講演された三人のレポは今回で終了です。
ここまで読んで頂きまして
ありがとうございました。