色即是空⑤ | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
福祉的な目線から心の問題を考えています。

『心の微笑み』(東大寺唯心会発行)


④のつづきです。

「色即是空」「空即是色」とは、


あらゆる形あるもの(人間も含めて)あらゆる生きとし

生きるもののすべての存在そのものの成り立ちにおいても、

そのものの本来の性質においても永遠不滅のものはなく、


縁によって、からみあい流転しているというのが、

存在そのものの実相であるし、そのような本性、


「空」を備えているからこそ、現実にすべての存在(色)は、

存在しうるのであると喝破されたのが心経なのだと思います。


私の体も、このボールペンも皆その例外ではありません。


佛教では、存在することを無闇に否定はいたしません。


在るものは確かに在ると認めるのですが、

「在るもの」は、いかにも「永遠にある」と思いがちな私たちに対して、

そうではないのだよと教えてくれるのです。


もし、このような考え方がしっかり身についていれば、


若者たちが死を恐れず他人を顧みず、

暴走するようなことも減るのではないかと思います。


また死の恐怖は人間の宿命的な恐怖ですが、

たとえ死から免れえないにしても確かな自覚と認識があれば、

その恐怖から、いささかでも

遠離(おんり)することができるのではないでしょうか。



(⑥最終回につづきます)



ドット模様のくつ底
東大寺 食道前にて 6月20日撮影



それでは今日も一日、

皆様が幸せでありますように。