5月23日の参議院行政監視委員会で、
小出裕章京大助教授が、
マハトマ・ガンジーの墓石に記されたことば、
「七つの社会的大罪」を引用されたそうです。
・理念なき政治
・労働なき冨
・良心なき快楽
・人格なき学識
・道徳なき商業
・人間性なき科学
・献身なき崇拝
記事にするか迷い、下書きしたままで、
話題として取り上げるには、
若干今さら感もありますが・・・・・・。
少しでも拡散すべく、私も掲載しようと思います。
こんな緊急事態にまで、
私たち国民は政府に騙されていたんだなと、
そう思わずにはいられませんでした。
24日に種蒔きジャーナル(MBSラジオ)に出演の
文字起こしを転載させて頂きます。
(Sleeping Cats さんブログより)
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メインキャスター(以下「MC」):水野晶子さん
コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長
※完全な文字起こしではありません。
また、誤字脱字等、ご了承下さい。
( )は補足等。
MC:ラジオニュース「たね蒔きジャーナル」、
昨日は京都大学の小出先生が、
ま、いつも「たね蒔きジャーナル」で原発事故について
解説をして下さっているのですが、
平野さん、小出さんは国会に昨日行かれまして。
平野氏:そうですね、大変大きな反響があったようですね。
MC:そうですね!
皆さんも小出先生がどんな話を国会でして来られたのか、
興味、関心、非常に高くていらっしゃると思いますし、
小出先生はずっと原発に対して警告をして来られた方で、
そういう方が国会に出て話をする機会を与えられるというのは、
ちょっと今まで考え難い事だった訳ですから。
平野氏:国も、本当にどうして良いか解らないという事の、
ある意味表れかも解りませんね。
MC:ここまで追い込まれたという状況で、
小出さんをお呼びになったのか、と思うのですが、
今日は昨日の模様なども含めて、お話頂こうと思います。
京都大学原子炉実験所、小出裕章先生に伺います。
小出さん、こんばんは。
小出氏:こんばんは。
MC:どうぞよろしくお願いします。
平野氏:こんばんは、よろしくお願いします。
小出氏:はい、こちらこそお願いします。
MC:早速ですが、リスナーの方から(ラジオネーム略)という方から、
「昨日の参議院行政監視委員会での参考人招致でのお話御苦労様でした。
先生の思いが良く伝わって来ました」と、このうようなお便りが来ておりまして、
皆さんも昨日国会で小出さんがどんなお話をなさったのか、
聞きたいというふうにおっしゃっているのですが、
もちろんそうなのですが、
その前にまず今日の話で聞かせて頂きたい事がございます。
先ほどニュース(コーナー)でもお伝えしました、
福島第一原発の2号機と3号機でも、1号機と同じように、
メルトダウンが起きていた、と東京電力がやっと認めました。
ただ、いろいろな発表と共に、こういう事も東京電力は言っているのです。
「原子炉の冷却は、安定的に進められているため、
今後放射性物質が大量に放出される事態にはならない」と、
説明しているのですが、
これは、小出先生、この通り、額面通り受け取ってよろしいのですか。
小出氏:良い所と悪い所とあると思います。
私は、ずっとこの番組でも最悪のシナリオというのをお伝えして来ました。
それは、メルトダウンという事が起きた時に、
原子炉圧力容器の底に水が残っていると、
水蒸気爆発という爆発が起こるはずだ、と私は言いまして、
それが起こると圧力容器が破壊されるし、
格納容器も破壊されて、
大量の放射性物質が大量に大気中に放出される事になる、と。
それだけは何とか防ぎたい、と私は言って来た訳です。
所がまだ、水蒸気爆発は事実として起きていない訳ですが、
東京電力は既にメルトダウンは起きてしまった、と言っているのであれば、
私の描いた最悪のシナリオは回避出来たと思います。
そういう意味で言えば、大量の放射性物質が環境に漏れ出て来る事はない、
という方向に一歩入ったと思います。
ただし、逆に言うともうひとつ、困難な事が出てきまして、
既にもうメルトダウンが起きてしまったという事は、
要するに炉心に水が全くないという事を東京電力が認めた訳ですが、
そうすると、水がないという事は、圧力容器の底に、どこかに穴が開いていて、
水が溜まらないという事を意味している訳ですから、
もちろんそうなれば、メルトダウンするのは当たり前で、
炉心が溶けてしまって、圧力容器の底に流れ落ちたはずです。
圧力容器の底に穴が開いているとすれば、
もちろん水はそこから漏れる訳ですし、
溶けたウランも、そこから流れて落ちるだろう、と私は思います。
落ちた先は、格納容器と言っているもう少し大きな容器の底に落ちる訳ですが、
そこには何がしかの水があるはずで、
たぶん何がしかの冷却は出来ていると思いますが、
でも、もう既に格納容器にも穴が開いてしまっているのだろう、
と私は思うようになりました。
MC:外側の容器ですよね、格納容器。
そこも穴が開いているだろう、と。
小出氏:なぜそのように私が思うようになったかと言うと、
東京電力が水棺というのをやろうとしたのですね、
圧力容器の中に水を入れると、それがどんどん溢れて来て、
格納容器に溜まるはずだ、と。
溜まった水で圧力容器ごと水没をさせてしまおう、と計画した訳です。
で、私はそれ自体はもう出来ない、と。
格納容器のどこかに損傷があるはずだから、
いくら水を入れても、溜まらないはずだ、と主張して来た訳ですが、
実際にそれは確かに出来なかったのですね。
いくら水を入れても溜まらないという状況だった訳ですが、
最近になって、いくら入れても溜まらなかった水はどこに行ったかというと・・・
MC:どこに行ったのですか。
小出氏:原子炉建屋の地下に、深さ何mにもわたって、
4000トンとか5000トンの水がもうあると言っているのですね。
つまり、どうもこれは格納容器というものが破損していて、
どんどんそこから水が漏れて原子炉建屋の方に流れ込んだという事だろう、
と思います。
しかし、そうなってしまうと、
私は、従来から外から水を入れてそれを溢れさせるような形はダメなので、
循環式の冷却回路を作る以外にない、と言って来た訳ですが、
ここまで事態が進展してしまうと、
循環式の冷却回路が出来ないのではないか、と思うようになりました。
MC:そこの所を、昨日国会の行政監視委員会でも発言なさいましたよね。
小出氏:はい、しました。
MC:ここまで事態が悪化していると、外付けの冷却装置を作るべきだ、
とずっと思って来たけれども、それさえも出来ないかもしれない。
という事は、新しい何かが必要である、と。
小出氏:はい、もう冷却という事を諦めて、
全体を覆いを作って放射性物質の環境への漏れというのを抑える以外に、
もう手段がないか、と思うようになりました。
MC:冷却さえ、難しくなっている。
これは、具体的にどうしたら良いかという話は、
また明日以降、教えて頂きたいと思います。
そして、昨日の国会の委員会の話の中でなさったものは、
ふだんこの「たね蒔きジャーナル」でお話頂いているお話と
重なる点も多かったのですが、
今の冷却装置の難しさと共に、私が「はっ」と衝撃を受けたもうひとつの事柄は、
福島県の土壌汚染について、議員からの質問を受けられた時なのですね。
これには、これから福島県の人達がどういう生活になるのかという事で、
小出先生が質問を受けて答えられた訳ですけれど、
この辺りを皆さんにもう1回伝えて頂けませんか。
小出氏:これはとても私も伝え難い事ですけれども、
現在福島県は大変な汚染をもう既に受けてしまった訳です。
被曝というのは、もちろんあらゆる意味で危険ですので、
何とか汚染を受けた地域から人々が逃げて欲しい、と私は思うのですが、
チェルノブイリの原子力発電所の事故の時に、
強制避難をさせられたという汚染の基準があるのですね。
その基準を適用すると、今現在800?だというのが、
日本政府の発表です。
それは琵琶湖の面積の1.2倍に相当するという位を、
無人地帯にしなければいけない、という事になっている訳ですが、
でも日本の現在ある法律、例えば1年間に普通の方は1mSv以上の
被曝をしてはならない、という基準を適用しようとすると、
たぶん福島県全域に匹敵する程度の地域を
無人地帯にしなければならなくなると思います。
一体そんな事が出来るのだろうかと考えると、
私は途方に暮れてしまいまして、
これからどうしたら良いのかな、という事を考えなければいけないと思います。
MC:そこで政治の力が必要であるし、
皆が知恵を結集させなければいけない、
という思いを昨日語られた訳なのですが、
それに対して国会議員から、何か小出先生が手応えのある言葉というものを
受け取られましたですか。
小出氏:昨日の場所では、特別には私は思いませんでした。
ただし、30人の委員がいた訳ですし、
私をその場に招いたという事実がある訳ですね。
何故私をその場に招いたのかという事には、
それなりの、たぶんいろいろな行きがかりがあったはずですし、
おそらく、行政監視委員会の事務局というか、
それをアレンジして来た人達の努力もあったと思いますし、
委員長他がそれを受けて、これをやるしかない、と考えてくれたというか、
それなりの判断をされた訳ですから、
ここまで来た以上は、やはりそれなりに受け止めて欲しい、
と私は願います。