2007-03-11 22:30:00

「アメリカは」二つ存在している! 7-4

テーマ:米国
第四章 米国の国際戦略
「アメリカは」二つ存在している!
 P.275〜

 さて両党の違いは中共や台湾へのスタンスのみならず、対外経済政策においても際立った差を示している。一九九八年七月、ロシアの金融危機に際してクリントンは、日本政府に「ロシアに十五億ドルの援助をせよ」と要求し、北方領土問題もあって対露援助を渋る日本に「日本を守ってやっているのは米国だということを忘れるな」と恫喝した。日本に対露援助を要求したその目的は、日本の金融支援で時間をかせいで暴落前にアメリカ金融資本を引き上げ、暴落の損失を日本だけに押しつけることにあった。この対日姿勢こそ民主党政権が日本をどのように位置づけているかを如実に示すものである。

 ちなみに一九九七年のアジア金融危機を仕組んでASEAN経済を潰してその台頭を阻止したのも、クリントン政権であり、その「共犯者」はジョージ・ソロスである。しかし共和党は、クリントンやルービン財務長官そしてソロスを猛烈に批判し、当時テキサス州知事であったブッシュも「IMFと世界銀行は間違っている」と明言している。共和党系シンクタンクのヘリテージ財団は一九九五年に世界銀行不要論を提唱しており、反マルクス主義の思想が強い共和党は民主党よりも自由主義経済志向の度合いが高く、アメリカの都合だけで他国に金融危機を仕組むのは自由競争原理に反するとという考えなのだ。ちなみにブッシュ政権の財務次官に就任したJ・テイラーも、一九九八年にテレビインタビューで「IMFは廃止されるべき」と述べているが、共和党からみれば、民主党の支持基盤たるユダヤ金融資本が儲けるための道具でしかないIMFなんて不要だということだ。つまりブッシュはバーチャル金融経済のグローバル化にたいしても「宣戦布告」したのである。そのためブッシュに再三批判されてきたソロスは「打倒ブッシュ」を宣言して民主党ケリー候補への資金援助を行っている。ソロスはクリントン同様にかつて「日本は(経済戦争の)交戦相手だ」と述べたこともある人物で、クリントン政権の経済面でのジャパン・バッシングを操作した黒幕でもある。

 この民主党政権時代に比べると、共和党ブッシュ政権に交替してからの米国が、日本に対して強圧的な経済圧力をかけたことが一度でもあったであろうか。ブッシュ父にしても日本のマスコミに「セールスマン」と皮肉られたが、高圧的な姿勢を示したことはない。現に米国の狂牛病発生に伴う輸入停止についても、ブッシュ政権は輸入再開を頼んでも圧力をかけてはいない。北朝鮮からの防衛や被拉致日本人奪還への協力といったカードを使って日本に輸入再開のバーター交渉することは可能であり、クリントンならばそうしたであろうが、ブッシュはそれをしない。それは「経済と安保は別だ」という共和党の信念、そして他国への交渉・外圧を嫌うアイソレーショニズム(反グローバリズム)の党是に基づく。つまり、経済などで日米の関係が悪化するのは、ほとんど民主党政権の時なのだ。

 クリントン政権のミッキ・カンター通商代表は「これまでタダで日本を守ってやった分の報酬を請求しようではないか」と演説したことがある人物だが、このカンターとクリントンとルービン財務長官の協議により「日本に外交圧力をかけて貿易赤字を減らすための指令塔」という位置付けでNEC(ナショナル・エコノミック・カウンシル)が創設されている。しかし共和党はこのNECの創設にも強く反対しており、その急先鋒の一人がブッシュだった。また一九八八年に民主党のゲッパート下院議員がいわゆる「ゲッパート修正法案」を提出し、日本を標的としての「対米輸出が米国からの輸出の五十五%を超える国に対しては二十五%の課徴関税をかける」という法案を当時議会多数派の民主党の強行採決で導入しているが、クリントン政権が頻繁に発動した包括貿易法「スーパー三〇一条」は同ゲッパート法案を具現化したものである。一方ブッシュ政権は二〇〇二年にこの「スーパー三〇一条」は期限切れだと声明し、日本に対してこのような外圧を加えない旨を対日方針の基本に位置付けた。日本経済に薄陽が射しこみ始めたのは、ひとえに共和党政権発足に由来する要素が大きい。

 しかし現在、ジョン・ケリーはその政策表明演説の中でこの「スーパー三〇一条の復活」を唱え、「日本は為替相場を不当操作しており、市場も閉鎖的」だとして、「もし当選すれば、現在の(日米)二国間貿易協定全てを百二十日間凍結して見直し、真に米国の利益に役立つ協定だけを更新する」と宣言している。つまりケリーは再び「米国の敵(エネミー)は日本だ」と対日経済戦争再開を予告しているのである。「ケリー議員の日本への言及が経済面での非難に限られている点は、ブッシュ政権が対テロ戦争やイラク復興での日本の協力に謝辞を述べ続けるのときわめて対照的となった。(小略)日本に対しこうした経済や貿易だけをみて、しかも協力者というよりは対抗者、競争者とみなし、厳しい非難や批判を浴びせるのは、一九九三年に登場したクリントン政権の姿勢とも酷似している。その一方、ケリー陣営は日本との同盟関係の現在や将来のあり方にはなにも言及せず、目前の経済関係だけをみて、安保などの協調面は論じていない」(産経新聞)ということである。ケリーは「ブッシュ政権は日本を甘やかしており、日本が自国通貨の相場を不当に操作して低く保っているのは放置している。私は日本を甘やかさない」とも演説で述べており、このように民主党は過去もずっと日本を力で抑えつけてきたし、これからも日本を力で抑えつけようとしているのだ。この民主党の手法について、ブッシュ政権の経済担当大統領補佐官であるR・リンゼーは「アジア太平洋地域の関係は、クリントン政権のジャパン・パッシング政策によって根底から阻害された。クリントン時代の米日関係は、外圧という一語に集約される。そうした外圧手法による依存が米日間に混乱をもたらし、両国関係改善に不可欠な創造的志向を阻んできた。外圧に代わる米日相互の協力と尊重の政策が必要不可欠だ」とクリントン政権を非難している。共和党と民主党がそれぞれ対日方針の中心に何を据えているのか、ブッシュやレーガン、そしてクリントンやケリーの対日政策を並べてみれば、その違いは歴然としている。

 アメリカに投資された日本の金融資産を円高で溶かしてしまうシナリオを作成したのもIIE(国際経済研究所)という民主党系のシンクタンクである。IIEはユダヤ系財界人らが民主党政権を通じて世界の為替と金融システムを監視し対抗策を練るために創設されたものだが、その第一の標的は日本に他ならなかった。クリントン政権のルービン財務長官は、橋本政権に対して日本金融市場開放、いわゆる「金融ビッグバン」を強固に要求し、その結果として山一證券はメリルリンチに、東邦生命はGEキャピタルに、長銀はゴールドマンサックスの仲介によってリップルウッド・ホールディングに、それぞれ米資本の手中に陥ちた。ちなみに長銀の不良債権処理によってリップルウッド・ホールディングには日本の国費から約八兆円が投入され、その内の約三兆二百億円は国民負担となっていて戻ってこないのだが、リップルウッド・ホールディングは長銀の営業権を僅か十億円で買い、さらに第三者割当増資の一千二百億円を加えて加えて合計一千二百十億円の金で長銀をその手中に収めている。日本国民が自腹を切らされた三兆二百億円(赤ん坊まで含めて日本国民全員が一人あたり二万円弱の負担)を含め八兆円もの国費を注ぎこんだ長銀は、その百分の一近くの二束三文の金で米資本になってしまったのだ。しかもクリントン政権の圧力で「旧長銀から継承した貸出資金の実質価値が三年以内に二割減少した場合は、日本国が薄価で買い取る」という信じ難い不平等な契約まで結ばれている。こんな条件で経営が失敗することは有り得ず、長銀を新生銀行として上場させることでリップルウッドは巨額の利益を手にしている。つまり日本国、日本企業、そして日本国民はとことん骨までしゃぶり尽くされたということだ。

 このルービンは元々ゴールドマンサックスの会長であり、財務長官退任後はリップルウッド・ホールディングの役員に就任している。またそもそもルービンが財務長官に就任したのか、一九九二年の大統領選でゴールドマンサックスが民主党陣営の莫大な資金提供を取りまとめした見返りからだ。ゴールドマンサックスは長銀で儲けた金を中共の企業(半導体メーカーのSMIC、平安保険)に投資している。つまり日本人の税金が結局そのまま中共資本に化けたのだが、これを仲介したのもルービンだ。つまり現在も日本企業を食い荒らしている外資の正体なるものは、民主党と太いパイプを持つユダヤ資本だということである。

 加えてクリントンは米国に進出した日本企業を徹底的に叩くために、その任期内に様々な「いじめ」を行っている。その実例を少し紹介しよう。一九九六年、クリントン政権下の政府機関であるEEOC(雇用機会均等委員会)は、米国三菱自動車に対してセクハラ賠償訴訟を起こした。EEOCは同社の女性従業員に対して「訴訟すれば一人最高三十万ドル、総額二億ドルの金が得られる」とPRして被害者を「募集」しており、日本の左翼団体が韓国でやった慰安婦募集と何やら酷似した手口だが、このように最初から同社を叩くために捏造されたセクハラ訴訟だったのである。しかしアメリカにも正直な善意の人々はやはり存在する訳で、同社従業員の半分に相当する約二千五百人の社員が「我が社にセクハラは存在しない」と主張してEEOCへ大々的な抗議デモを行った。ちなみにこの時、日本の外務省や通産省は何をしたのだろうか。実は何もしなかったのだ。それどころかセクハラ問題は左翼の得意分野だとばかりに、朝日新聞は「セクハラは実在した」と決めつける報道を行っている。自国企業を助けようともしない日本政府、そして逆にバッシングに回る日本のマスコミに愛想をつかした米国三菱自動車は、二億ドルもの供託を回避するために泣く泣く三千四百万ドルを支払う和解に応じざるを得なくなった。ところがこれに味をしめたEEOCは、なんとその三ヵ月後に今度は「三菱の採用試験に落ちた者の中に腰痛や喘息の患者がいたことは採用差別だ」と訴えて、同社からさらに三百万ドルの和解金を取り上げている。

 また同じ一九九六年には、米司法省が米国旭化学を「部品の一部が中国で組み立てられているのに、組み立ては香港だと表示している」との理由で告訴した。しかし米連邦取引委員会規定では「部品の七十五%以上が組み立てられた国を又は地域を表示して可」と定められており、同社は七十五%以上を香港で組み立てていることから、米司法省の主張は完全な言いがかりでしかない。この件においても日本政府は指をくわえて座視し、旭化学は二千万ドルの和解金を払わされた。このようなクリントン政権による在米日本企業弾圧は枚挙するとキリがないが、一九九九年にはなんと呆れ果てたことに、米国東芝が「ノートパソコンに欠陥がないという証明が完全にできない」という理由で実に十一億ドルもの和解金を払わされている。同裁判では「欠陥がある」という証明は一切不要とされ、米国東芝だけが「欠陥のない証明」を要求された。しかし欠陥を見つけるのは簡単でも、まったく欠陥のない場合それを「証明」するような方法は存在しない。その結果、全米の同製品ユーザーが誰も欠陥を訴えていないにも関わらず、同社はそれまでに米国で売り上げられたノートパソコンの利益を全て投じても足りない和解金額を払わさせられたのである。

 ちなみにクリントン政権末期には、民主党知事の下にカリフォルニア州大気支局が、米国トヨタ自動車に対してでっちあげの計測値を口実に規則違反(しかも事後法による規制値!)だと言いがかりをつけて、二百二十万代のリコールを命じた。トヨタ側が「違反はない」としてリコルを拒むと、今度は米司法省がトヨタ史上空前の七百億ドル(約七兆円強!)もの損害賠償を起こしたのである。(なおブッシュ政権下においては、在米日本企業にこのような圧力が加えられたことは一切なく、二〇〇四年に米国トヨタ自動車は米国進出以来初めての販売数百万台突破を達成したことを付記しておく。)このように民主党政権下では在米日本企業は標的にされて理不尽な「いじめ」を受け、それまで米国で上げた利益を軒並み吐き出させられ、クリントンの「米国の敵は日本」という対日経済戦争の餌食となってきたのである。


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