2019年6月28日 ジーパン・デイズ 2019。 ②
前回ブログで昭和の時代はジーンズではなくジーパンだったことにふれました。
60年代アイビーファッションにおいてコットン素材のスラックス(パンツ)が「コッパン」だったので、70年代デニム素材のジーンズ(パンツ)が「ジーパン」として普及したのでしょう。
当時は娯楽のコンテンツが現在ほど多様でなく、TV番組にも国民的刑事ドラマなどというものが存在していました。
「太陽にほえろ」で松田優作演ずるジーパン刑事(デカ)が殉職する放送回は、驚異的な視聴率を記録して次の日学校ではその話でもちきりでした。
私は以前ある程度年齢的にも社会的にもそれらしいものを身に着けていました。
例えば毎日の通勤時もその格好でビジネスをするわけではなく白衣に着替えてする仕事なので、ネクタイこそしていませんでしたがジャケパンにローファー的なスタイルだったのですが、現在はボタンダウンにジーンズとスニーカーというスタイルに変わりました。
そのきっかけとなったのは8年前の東日本大震災でした。
震災の後、社会が沈滞ムードだったときに「きっと時間がたてば社会は元通りになるだろう。だけど忘れてはいけないものがあるはずだし忘れたくないな。」と思いました。
質素で素朴でムダを排除したこの生活は少しばかりきゅうくつに感じることはあるけれど、快適すぎる今までに比べると身の丈に合っていて不快でなければ十分だと思ったのです。
そしてこの方が環境にとっては優しいはずで、自分にできることとしてささやかながら家で洗えるものを着ることにしたのです。
だから私にとって連休でなくても実は毎日が「ジーパン・デイズ」なのです。
このブルージーンズはイニシャルB.R.というファストファッション系の中ではアッパーブランドなのでしょう、みなとみらいランドマークプラザのお店で1万円出すとそこそこおつりがくる、ジーンズとしては妥当な金額(?)で購入しました。
スリムというデザインですが昭和のスリムは現在のスキニーで、これはぜんぜんピチピチ感はありません。
それでも私のジーンズラインナップ中最もタイトなシルエットなのですが最近少しやせたのとストレッチがきいているため、まったくきゅうくつ感がなく軽めのはき心地でシャープな外見と快適性が両立されています。
ボタンダウンはアウトするので外見上分からない股上は、やや浅めですが下着のゴムが上に出てしまうほどの腰ばき(ローライズ)ではなく、私のような昭和生まれも落ち着いてはけます。
腰の後ろのベルトを通すブランドを主張する革のラベルが付いていないのと、お尻のポケットに独自のステッチもないそっけないほどの後ろ姿のシンプルさも気に入っています。
ブルージーンズなので当たり前ですが何にでも合わせやすく、色落ち具合もナチュラルで美しいと思います。
普段使いのジーンズとしては惜しげがないのも重要なポイントで、最も使用頻度が高いお気に入りのデイリーな一本です。
もう何年もはいているのですが、先日これをはいて出勤の準備をしている私を見て滅多にホメない家内が「そのジーンズどこの? いいじゃないそれ…。」と言いました。
私に辛口な彼女は「似合うわね、素敵よ。」とは決して言いません。
私をホメるのではなく、あくまでもジーンズをホメるのです。
ホントは私、ホメられて伸びるタイプなんですけどね…。
それでも私はひそかに心の中でガッツポーズをして山手パーク歯科に向かいました。