「傍観者ではダメである。どんな仕事でも当事者になることが肝心である。」
みんな大好き日本マクドナルドの創設者にして実業家である藤田田氏の名言で御座います。
まあ黙って見ているだけなんて仕事とは言えませんしね。
皆様、ご無沙汰しております。
傍観者は良くないと思いますが、でしゃばりもウザいと思うので様子を伺っていたら結局傍観者になっていたことが多々にあります。
そもそも行動力が乏しい凡人、ジムで御座います。
さて皆様。
今回はジムがある日に経験した出来事についてお話ししたいと思います。
そう、それはいつもと変わらない日。
仕事を終えて帰宅するために電車に乗った時でした。
それなりに人が居るなか、ふと周りを見回すと。
リュックが全開になっているおばさんが。
ジム(エエェええェΣ(Д゜;/)/)
思わず叫びそうになるほどの驚きと衝撃。
いや少しファスナーが開いてるリュックくらいなら見馴れたものですよ。
今更目にも止まりませんが、全開とは!!
もちろん中身は丸見え。
しかし不思議と零れ落ちたりはしません。
一体なんの力が働いているのか。
いっそ落ちれば気付くのではと思いますが当の本人は平然と立っています。
もしかして、わざとそうしているのかなんて馬鹿な発想が浮かぶほどジムは混乱しているというのに。
ああ、誰か声を掛けたりしないのかなあと周囲を見ても誰もが素知らぬ顔。
くっ、こうなれば仕方がありません。
人は意外と人の視線を気にするもの。
ジムがじっと見続けていれば不審に思って気付くかもしれません。
名付けて「アイコンタクト大作戦!」いけぇぇええ!!
ジム(じぃ)
ジム(じぃぃぃぃ)
ジム(じぃぃぃイぃぃぃ!)
……ダメか!!
視線もこっちと合いませんし、考えてみればここは電車の内。
多少の騒音もあって周りの事に対して反応が鈍い。
くそう、ジムにはテレパシーの素養はないようです。
どうにかならんかと歯噛みしてしばらく時が過ぎると、ふと状況に変化が。
そう、おばさんの前の座席が空いて座ろうとしたのです。
ジム(いよっしゃあああぁ!!)
思わず心の内で何度もガッツポーズです!!
なぜなら座席に座る為には普通、リュックを下ろすか前に回す必要があります。
つまり、これで全開状態に気付くハズ!
やったぜ!
勝訴!!
第一部完!!!
ありがとうございましたぁぁぁ!!!
おばさん、リュックを背負ったまま座席に座る。
……そんなバカなああぁあ!!
ジムの心は歓喜から一転、絶望へと垂直落下。
なぜだ!なぜだ!なぜだ!
何故そのまま座席に座る!
ジムの完璧な予想が台無しではないですか。
しかもその体勢ではリュックが周囲から隠れてしまい、誰か心優しい人が声を掛けてくれる可能性が実質ゼロパーセントに。
状況は好転するどころか悪化へと一直線です。
むうぅ、どうにも救いはないのか。
ジムが降りる駅もだいぶ近づき、諦めがジムの頭に浮かんだそのとき。
また状況に変化が。
電車が駅に到着し、おばさんが降りたのです。
そしてジムの視界には全開状態のリュックが。
ジムの心臓が強く脈打ちます。
ダメだ。
やっぱり見過ごすわけにはいかない。
否。
見過ごしたくない。
さっきまで誰かが何とかしてくれないかな、なんて姑息なことばかり考えておいて言えたギリではありませんが、やっぱり容認出来ません。
ハッキリと言わねば。
ジムは手に冷や汗をかきながらおばさんの後を追って電車を降り、ホームで声を掛けました。
ジム「あの……」
おばさん「?はい」
ジム「リュックが閉まってませんよ」
おばさん「!!」
おばさんは恥ずかしそうに愛想笑いを浮かべて、お礼を言いつつ去っていきました。
…時間を見ればほんの20分にも満たない間の出来事でしたが、なんだか非常に疲れました。
結論だけを言えばグズグズ考えてないで行動すればよかっただけのことなのに、それがどうにも上手くいきませんでした。
後日ネット調べてみると、こういった心理状態のことを「リンゲルマン効果」と言うらしいです。
なんでもフランスの農業技術者マクシミリアン・リンゲルマンさんが発見したもので別名は社会的手抜き。
ザックリ説明すると人間は自分しかいないときは頑張るが、集団になると「自分がやらなくても誰がやってくれるだろう」と考えて手抜きをしてしまう、というもの。
正にジムはこの状態に囚われていたわけです。
おお、なんと恐ろしい。
社会とは人間の集団で成り立っておりますが、その集団であるということが人を見捨てる要因となるとは。
そう考えてみると、人間はもう少しだけぼっちになった方が良いのかもしれませんね。
要するに心のソーシャルディスタンスが必要ってことかな。
…ジムが「今俺、良いこと言った!!」と自己陶酔に浸りだしたところで、本日は失礼したいと思います。
それでは皆様、機会があればまたいずれ。
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