ジムジム名作劇場「鼻」
昔々、あるところに鼻が顎の下まで垂れ下がるほど大きいお坊さんがいました。
お坊さんはこの鼻のせいでみんなに笑われるので鼻に対して強いコンプレックスを持っていました。
そんなある日、お坊さんは鼻を人並みに小さくする方法を耳にします。
お坊さんはその方法を試すことで見事、鼻を人並みにすることに成功します。
これで笑われなくなる、と大喜びするお坊さん。
しかし予想に反して周囲の人々は以前にも増してお坊さんを見て笑います。
不気味に感じてお坊さんは塞ぎこんでしまい、終いにはかつての大きな鼻を恋しがるように。
数日後、お坊さんが起床すると鼻は元に戻っていました。
お坊さんは大きな鼻を見て安堵し、喜ぶのでした。
おわり
皆様、ご無沙汰しております。
割りと有名な物語なのでご存じの方も多いと思いますが上記のお話は日本の文豪、芥川龍之介氏の作品を要約したものですね。
ちなみにジムはこのお話をコンプレックスなんて気にしても仕方ないじゃない的な前向きなものだと最近まで思ってましたが、実際は人間というものは他人の不幸に同情するがその不幸を乗り越えた人に対しては敵愾心に近い感情を持ってまた不幸になることを望むという2つの矛盾した心を持つ、という非常に複雑な心理現象を語った話であるとのことです。
人心の暗黒面に震える凡人、ジムで御座います。
さて皆様。
唐突ですが自分の顔についてどう思われますか。
…って、訊ねておいてナンですが答えづらいですよね。
産まれてから今日まで共に在り続け、自分という存在の象徴たる己が顔。
好きというほど自惚れてはいないが、嫌いというのも憚られる。
認識としてはこんなモンではないでしょうか。
それはそれで悪くはありませんが、言い換えれば大なり小なり願望があるというのもまた事実では。
私ことジムも言い出したらキリがないことを理解しつつも叶うのならば、もう少し気迫・迫力があったらな、なんて思う次第。
また性格的に向いていないのでずっとは勘弁ですが、一日限定ならば誰もが見惚れるイケメンとか目が合っただけで竦み上がるようなコワモテとかになれたら凄く面白いと思います。
いつか科学が進歩したらそういうことも出来るようになるのかなあ、などと下らない妄想をしつつ本日は本屋さんへちょっと用事。
ささっと用紙を記入して本の予約を済ませようとしたのですが。
店員さん「この商品は返品出来ませんよ。」
私ことジム「(?そんなことする気はないけど?)構いませんよ。」
店員さん「そうですか。まあ貴方はそんなことしないでしょうけど(ボソリ)」
…
……?
………??
…………!!!??
…え?
どういうこと?
確かに返品するつもりなどまったくありませんが、どういうことです?
私とその店員さんは間違いなく初対面。
だというのに、なぜそこまで言えるのでしょう。
推測出来ることは明らかに一つだけ。
見た目、つまりは顔を見て判断したとしか…。
いや信用してもらえたならば大変結構なことで光栄ですが、なんでしょう。
この微妙な心持ち。
正直、ジムは見た目において損はしていても得をしたと感じたことなどほぼ無いのですが、それは自分が気が付いていなかっただけってことでしょうか。
にわかに信じられませんが、考えてみればイケメンやコワモテだって大変だと聞いたことがあります。
イケメン、つまり人気者は人からチヤホヤされるだけではなく謂われない嫉妬や恨みを買うらしいですし、コワモテというだけで子供に泣かれたり警察官から職務質問を受けるという芸人さんの話とかありますしね。
しかし、そうなると、結局どんな顔なら人は幸せなんでしょうね??
…こっち向いて聞いてんじゃねえよ知るか、と皆様にツッコミを入れられたところで本日は失礼したいと思います。
それでは皆様、機会があればまたいずれ。
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