ピンクのポンポン★89-16
尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏のソロツアーで止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。
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開演時間間際になって、隣の空いていた二席に、幼稚園くらいの女の子を連れた母親が来た。
「良い子にしててよ!」
「うん! タッキー、大好き。ママもタッキーが大好きだもんね! だから、ポンポンで応援するの」
「始まってからね」
「良いじゃない」
このくらいになると、コンサートも連れてきて大丈夫なのかな?と思って見ていると、
「おばちゃん、ポンポンは?」と、突然女の子に質問された。
「ごめんなさいね」
母親が謝ったけれど、女の子に顔を近づけて、質問に答えた。
「おばちゃん、忘れて来ちゃったの。ゴメンねぇ」
女の子は俯いて、唸った後、母親が椅子の下に置いていたトートバッグからピンクのポンポンを一つ取り出すと、私に差し出した。
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