長い時間の流れの中で【120】 1・17 別離 | ぴかるんのブログ

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ピンクのポンポン

ピンクのポンポン★80(80-120)



※阪神・淡路大震災を源とする物語(フィクション)です

 尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏の代々木体育館で止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。


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 父と会えなくなる現実を受け入れなければならないことが辛くて、一晩中、泣き続けた。私が気持ちを爆発させてしまったせいか、妹は泣くことも出来ず、壁に向かって座り、泣き続ける私の頭を、何度か撫でに来てくれた。

 翌日、母は学校を休んだ方が良いと言ってくれたけど、私は妹と共に玄関を出た。玄関を出て、すぐに妹が、
 「大丈夫なん?」と訊いてきたので、
 「うん」と返事をして無理に笑ってから、
 「学校、行った方が離婚のこと、考えんですむもん」と言った。

 学校から帰ると、母からもう一度、ちゃんと話をしたいと言われたけれど、
 「もう、避難所へ帰るんは嫌やし、私らより、他の人に優しいするとこ、見とうないもん」と言い、手洗いもせずに、客間へ入り、再び泣き続けた。

***** 幼いなりに、父が東京へ会いにも来てくれないことが、何を意味しているのか?は理解していたけれど、いつかは家族揃って東京で暮らせるのではないかと心のどこかで期待していた。でも、全てが夢で終わった。でも、避難所で父が他の人に優しく接している姿を見たり、母や妹が辛い目に遭うのを見ることも嫌だたまらなかった。
 その時は、最後に、もう一度くらいは会えるのか? 全く会えなくなるのか?は分からなかったけれど、離婚を止める気持ちになれないことも私の本音だった。父が大好きだったから、他所の家のお父さんみたいな光景は二度と見たくはなかったので。*****

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{ 久々にアトピー  ]