※阪神・淡路大震災を源とする物語(フィクション)です
尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏の代々木体育館で止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。
その夜、寒さで目が覚めると隣で寝ていた筈のおばあちゃんの姿が無かった。
「トイレ行く、言うてた」
そう言った妹の言葉に、
「寒いのになぁ」と言うと、
「毎晩や」と妹が言った。暫く横になったまま起きていたけれど、おばあちゃんは戻って来なかった。でも、途中、目を覚ますと、おばあちゃんは隣で寝ていた。
翌日も朝御飯の後、おばあちゃんの家へ行った。前日よりは元気になっていた母と妹も共に行こうとおばあちゃんが誘ってくれたけれど、父が戻るかもしれないし、スーツケースを探したいからと、断ったのだった。
妹は行きたがったけれど、
「また、具合が悪くなるかもしれないわよ」と、母からキツい口調で言われたせいか、
「分かった……」と言い、頷いた。
「アレなら、気にせんでええわよ」と、おばあちゃんは言ったけれど、母は黙って頭を下げたのだった。
その日も学校を出てから坂道を上った。前日と同様に、やはり壊れた家の中を片付けたり、探したりしていた人達も居た。
居間で、またかりん糖を食べた。家族にも食べさせたいと思ったけれど、妹がみかんを食べたことを体育館で喋りそうになったことを考えると、複雑な気分になった。
おばあちゃんとかりん糖を食べた後、おばあちゃんの後について、居間を出ると、廊下の天井の板が片方、外れていて電灯は床近くまで垂れ下がっていた。
震災直後の自宅の方がマシだったと思った私は、
「おばあちゃん、恐かったやろ?」と言うと、
「うん、恐かった。今は、ついて来てもろてるから、恐あないけどな」と言い、笑ってくれた。
おばあちゃんについて二階へ上がり、大きな半纏を一枚、持って下りた。おばあちゃんは掛け布団を持って下りた。
おばあちゃんは、またみかんを二個くれたので、私はジャンパーのポケットに入れた。
そして、一つのみかんを二人で分けることにした。みかんを食べながら、私はおばあちゃんに訊いた。
「夜、トイレ行くの、寒うない?」
「あんたのことも起こしてたんか、ごめんな」
責めていないのに、おばあちゃんに謝られてしまったので、私はすぐに次の言葉が出なかった。
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{ 今年、初の裸足です
お家の中でのお話ですが
東京タワーが見えないので、
ベランダへ出てみたら、
スカイツリーもぼんやり
さて明日の天気は?
今の日本、美魔女と野獣 の時代 ]