卒業生の保護者より その2 | 名古屋シュタイナー土曜学校  山里の森

卒業生の保護者より その2

5年生になり、彫塑が始まると、

「すごく面白い!」というようになりました。

力いっぱいにノミを打つことが、この年齢に合ってるのだと思いました。




地元で野球チームに入った息子は、

練習が重なる土曜学校をやめるとは言わず、

どちらもやりたいと言ってくれました。




正直、息子より、毎週の送り迎えがしんどくなり、

私のほうがやめたくなることがありました。

でも、学期末の「集い」で高学年の発表を見るたびに、

「息子にもああいうことができるようになってもらいたい、ああいうことをやらせたい」と、思い直しました。

子どもより親の私のほうが、高学年に憧れていたようです。
特に、6年生の最後の集いの発表には、いつも心を打たれました。


発表のための授業ではないので、

私たちが見るのはほんの一部分ですが、

オイリュトミーでは、

隣の子を抜かしそうな勢いで、ギャロップしていた子が、

先生の指示なしで、自分たちでピアノに合わせて、

複雑で美しい動きができるようになっていきました。

低学年のうちは、先生の声が一番大きかった英語の発表も、

6年生最後の集いでは、英語劇で皆が、堂々とセリフが言えるようになっていました。




1回でも6年間という月日はすごいです。

感情が豊かに育つこの時期に、

物事の本質を学べるのはなんと幸せなことでしょう。

ひとつの作品を何日も何ヶ月もかけて、

最初から最後まで作り上げる体験も、なかなかできないでしょう。

目に見える作品に限らず、です。




上手な発音、上手な動き、ではなく、

どう感じて話すのか、

どう感じて動くのか・・・。

正解はなく、吸収したものをどう表現するのか。

その年齢にあったやり方で、学んでいく。


6年間、見守り導いてくださった先生方、

一緒に成長した仲間達、

土曜学校での授業は貴重な体験の積み重ねでした。

卒業間近になってやっと

6年間続けてください」と言われた意味がわかったのです。


教育の基本を与えてくれた土曜学校。

この先、多くのことを体験し、学び、

生きていく上で、大切な土壌を豊かにしてくれました。

1年経ち改めて思います。



             2012年度 卒業生保護者