卒業生の保護者より その1 | 名古屋シュタイナー土曜学校  山里の森

卒業生の保護者より その1

息子が土曜学校を卒業して、早1年近くが経とうとしています。

今年も入校説明会の時期がやって来ました。
この時期になると入校を迷っていた頃の気持ちを思い出します。


週1回でもいいから、シュタイナー教育を受けさせたい、

そんな思いから、名古屋シュタイナー土曜学校は生まれたと聞きました。

その思いは、私の中にもずっとありました。

でも、説明会で「6年間続けていただきたいのです」と聞くと、

さすがに「そんな先のことはわからないんだけど・・・」と思いました。

まあ、息子が嫌がるようになったら、

その時考えればいいだろうという気持ちで、入校させることに。


入校式である「迎える会」の当日は、遅刻ギリギリで入ったため、
あまり良く覚えていません。(汗)

が、生花であふれたアーチが用意されており、

その中を歩いて、子供たちが学びの世界に行く・・・という場面は印象的でした。

後になって、保護者の方々が、毎年花を集めて何時間もかけて

作ってくださっていたものだと知りました。

本当に新入生のために心を込めて、色々して下さってるのだと感じました。


手仕事の初日が終わったとき、

息子に「何をしたの?」と興味津々に聞くと、
「これつくったの」と、二つに折った紙を開いて、

無邪気に見せてくれました。

挟んであったのは、羊毛で作った白い蝶々でした。


手仕事=編み物だと想像していた私は、目からウロコの思いでした。

小さな蝶々に、シュタイナー教育のはじめの一歩が詰まっていたのです。
その蝶々は、息子から貰って、写真立てに入れて飾っておきました。


やがて蝶々は、小さな毛糸のこびとになり、

1年生の終りには、ニワトリになりました。
そして、増減目のある花瓶敷きになり、

3年生には、帽子も持ち帰ってきました。


4年生のある日、

帰りの車の中で「これやろうっと!」と、

クロスステッチのポケットを付ける手提げかばんの続きを縫い始めました。

その横顔は、自分で作る事の面白さを知ってる顔でした。



(その2へ続きます)