~ 千葉房総の魚を求めて、地下鉄→電車→ワゴン車でGO!
住 所 千葉県夷隈郡御宿町六軒町157-31
TEL 0470-68-5966
営業時間 17:30~23:00
定休日 火曜日
塩をふくんだ風が、心地よい。
海岸には、王子様とお姫様がまたがる2頭のラクダの像が、ポッカリ浮かぶ。その周りで、ビーチバレーを楽しむ若者たちと、大波に果敢に向かうサファーたち。
午後5時ちょうど、駅前通りの拡声器から流れるメロディ「月の~、砂漠を~、は~る~、ば~ると~♪」。本日の探訪先は、童謡「月の沙漠」の舞台になった千葉外房の「御宿」。
予約の電話口で「着いたら、電話してね~」と言ってくれたご主人の言葉に甘え、駅待合室から連絡すると、5分ほどで、ワゴン車のお迎えが。
バンダナ姿のご主人との楽しい会話の中、小道を曲がりくねりながら、あっと言う間に丘の上の住宅街に。
東京から、地下鉄と電車を乗り継いで、最後はご主人の車に乗ってなんとかたどりついた「舟勝」さん。
ここで、「酒を飲みた~い」その一心でやってきた。
やさしそうな奥さんに迎えられ、まずは、ビンビールで到達の祝杯。
こちらの「おまかせ」で出てくる料理は、獲れたての房総の魚を、地元で食べているように調理したもの。
お酒もお品書きがなく、「冷蔵庫」から好きなものをお願いするスタイル。
早速「お刺身盛り合わせ」の登場。マトウダイ、ヤリイカ、鰺、メバチマグロ、ヒラメ、そして、昆布締めしたヒラメ。
「ここんとこ、時化で、思いどおりのものが出せなくて」というご主人だが、とんでもない。味が濃く、張りがあって、見事においしい。
冷蔵庫をのぞいて、日本酒の品定め。うれしいことに、秋田の銘酒「一白水成」と「阿櫻」があるが、ここでは、地元の酒「岩の井 総の舞 山廃純米」をセレクト。酸がしっかりした切れのある味に、お刺身がさらにうまくなる。
「食べたことありますか~」とご主人が持ってきてくれた「酢なめろう」(写真)。
味噌、ネギ、生姜、大葉などを混ぜ、粘りが出るまでたたいた鰺を、たっぷりの生酢に浸し、氷で締めたもの。ご主人の指導に従い、周りが少し白くなったところでいただく。初めての代物は、さっぱりさわやかで、鰺の甘みが際立つ。
炊き合わせの「ムギイカ」も驚愕のおいしさ。新鮮なワタと柚子の風味でいただく、まさに至高の酒肴。
「7割、8割がリピーターなんです」とおっしゃるご主人。
カウンターに座る、魚とお酒が大好きだというご夫婦も3度目の訪問。奥の方にお座敷もあり、ご近所の仲間やご家族が続々と押し寄せる。
今夜は、多めに飲んでもだいじょうぶ。なんてたって、帰りも、ご主人のワゴン車で、お宿まで。
「御宿」の漁師さんたちが紡ぐすごい食文化と、ご主人の「おいしいものをたべてもらいたい」という思いが、「みんなを幸せにするお店」にしている。