阪神淡路大震災から12年後にカメラを向けることができた大切な写真集「千の風神戸から」 | 世界を旅する写真家⭐︎山崎エリナオフィシャルブログ

阪神淡路大震災から12年後にカメラを向けることができた大切な写真集「千の風神戸から」



2021年1月17日の投稿を振り返って

阪神淡路大震災のあの日。

暫く神戸のあの日の光景を思い出すことができたなかった。

 

震災後、命頂いたと単身パリへ留学。

パリ三年間の写真活動を経て、日本に帰国後、

いろんな方々の出会いにより作品が評価された処女作の写真集『アイスランドブルー』(学研)。

この山崎エリナの作品を初めて写真集として世に出して下さった編集者に「阪神淡路大震災を経験しているエリナさんだからできることがあるのではないか?」と、背中を押されて震災から12年後に出版した書籍が『千の風 神戸から』(学研)。

編集者の方からいただいたこの言葉に今も感謝しています。

 

 

{05A28714-D2E4-4929-B5DC-0C3FFE03E321}

https://hon.gakken.jp/book/1340337400

 

 

書籍出版にあたり、神戸の街を撮影することになった。

 

私の家は全壊になり、思い出の写真も思い出の品も取り出せず、僅かに取り出せた写真は私の宝物です。

そして、震災から12年経っても神戸にカメラを向けることができなかったが、この写真集の企画を頂いてカメラを向けることができた。

そこには神戸で変わらず商売する商店街の人たちの笑顔、震災の知らない子供たちが走りはしゃぐ何気ない神戸の光景、、、神戸の日常と人に目を向けた時「やっと自分を取り戻す入口を見つけたような気がした」。

私たちは生きているんだ!

生き続けなきゃならないんだ!

「がんばろう神戸」イチローさんの言葉や神戸の人たちの響き合うこの言葉に励まされ、「がんばろや!」と胸の奥にいつもこの言葉があったことを今、またこの日に思い返している。

 

書籍『千の風 神戸から』の中に

あの作者不明の「千の風」を私なりに訳させて頂いています。

 

私のお墓の前には立たなくてもよいのですよ。

なみだを流さなくてもいいのです。

私はそこにはいないから、

そこに眠ってなんかいないから。

 

私は、大地の上を流れる千の風です。

私は、きらめく雪のダイアモンドの輝きです。

私は、たわわに実る穀物の上に降り注ぐ太陽です。

私は、穏やかな秋の雨です。

 

あなたが朝の静けさの中で目覚めたとき、

私は、勢いよく飛び出して行きます。

大空をゆうゆうお飛び回ろうと高く舞い上がる鳥のように…。

私は、夜空を彩る星のやわらかい光です。

 

私のお墓の前には立たなくてもよいのですよ。

泣かなくてもいいのです。

わたしはそこにはいないから。

私は死んでなんかいないから。

  

 

この『千の風 神戸から』には千の風の言葉と写真を…

私の思い出の場所を辿りながら、

神戸の人たちの思い出の場所、震災前のあの頃を手繰り寄せながら、シャッターを押すたびに胸が熱くなって涙が溢れながらシャッターを押す時もありました。

 

{DB6516F8-09D1-4E48-A2FA-2CE2E32A15E8}

 

 

{393F6CF6-C638-496F-8DC8-310102209045}
 山崎エリナ 書籍『千の風 神戸から』より

 

改めて、撮影にご協力いただきました皆様、文を寄せてくださった皆様に心から感謝申し上げます🙇‍♀️✨

「ありがとうございます!頑張ります!!そして、がんばろう日本!!」

 


能登半島地震で亡くなられた方々にご冥福を祈り、被災された皆様の生活が一刻も早く立ち直ることをお祈りしております。

今、自分にできること、これから先できることを考え、少しでも寄り添っていきたいと思っております。