民主主義のために その6 個人主義と全体主義 | やまのブログ

民主主義のために その6 個人主義と全体主義



 いきなりですが私は死刑制度に反対するものです 理由は簡単で殺したくないからです もちろん死刑は私が自分の手で殺すわけではありませんが民主主義というのは国民である私たちが主権を握っているわけですからね 国家による死刑は国民である私達が殺すことに違いはありません 想像すると気分のいいものではない 実感の沸きにくい人が多いかと思いますが死刑制度を認めていることで結局私達が殺しているんです
 まあ私一人が反対したところで選挙における一票と同じで結局は多数に押し切られますが私はNOですとは言っておきたい 死刑制度に賛成するのは私の心が保てない 例え残虐な犯罪者であっても殺すのは嫌です

 でも死刑制度やむなしと考える人の気持ちも分かるつもりです 被害者側に感情移入するからでしょう 特に残虐、理不尽な殺され方をした場合には他人事ながら怒りが沸いてきますよね それは分かります それは分かるのですが それでもやっぱり殺すことは出来ません それが私の気持ちです
(注 ただし私の大事な人が理不尽な殺され方をした場合には“自己責任”で犯人を殺したくなるかもしれません このことについてはそのうち別の記事で描くかも 今は当記事の趣旨から外れてしまうので置いときます)



 さて ところで私のように<人を殺したくない>という理由で死刑に反対するのは個人主義の考え方です 一方被害者の気持ちを慮って死刑もやむなしは全体主義の考え方と言えるでしょう 

 全体主義というとナチズムやファシズムを連想する方がいらっしゃるかと思うのですがそれは独裁と排外主義が加わった結果ですよね 全体主義それ自体を悪と決めつけるのは早計かと、、、要は中身の問題です 
 中身の問題と言うのはね 個人主義により死刑に賛成する人もいれば全体主義により死刑に反対する人もいるだろうからです 
 具体的に言えば 
<俺は人を殺したい でも現実にそれを行えば自分の人生が終わる だから法律にかこつけて人を死刑にすることで自分の欲求を解消させたい> 
私とは正反対の考え方ですがそれがその人の気持ちならば個人主義には違いありません 世の中にはそういう人もいるのでしょうね そしてこういう考え方も
<世界の潮流は死刑廃止に向かっているのは明白 日本が今のまま死刑制度を存続させているのは先進国として恥ずべきことじゃないか> 
というような理由づけで死刑廃止を主張する人もいるでしょう 死刑制度に反対ということでは私と同意見ですがその理由は個人主義ではなく全体主義と言うべきですよね
 つまるところ個人主義にしろ全体主義にしろ中身によって意見は変わるのです この辺ご理解いただけるでしょうか?



 この記事は死刑制度を例にしていますが 本当に言いたいのは個人主義と全体主義の考え方です 両方が必要でそのバランスが各人の個性の基になると私は思っています 

 日本人は自分がどうしたいかを考える個人主義よりも人や社会のことを考える全体主義にウェイトがかかり過ぎている人が多いように思うのですが どうでしょうか?
 
 もちろん人の気持ちや社会のことを考えることは悪いことではなくむしろ美徳と言うべきで そのためか日本人は一般に穏やかでマナーもいい 治安も他国に比べるとかなり安全ですしね これは誇っていいことでしょう

 でもその一方で息苦しさを感じている人も少なくないように思うのです これは人や社会(世間というべきかな)のことを気にしすぎることにその原因があるのではないでしょうか 

 日本人は一丸となると強いけれど個人としては弱い と言われてきましたよね 最近はそうでもないという声もありそうなのですが どうなんでしょうか?
 これは私見ですが最近はわがままな人が目立ってるような気がするのです 私としてはわがままを個人主義とは呼びたくないんですよね 個人主義は自分の価値観で言動することで単にわがままなのは利己主義と呼びたい(利己主義も個人主義に違いないと言われればそうですけど) もしわがままなだけの人が増えていったらこれまでの日本の美徳はいずれ滅びます それは日本人として哀しい 

 先にも言いましたが大事なのは個人主義的考え方と全体主義的考え方をバランスよく持つことです
 御自身の心を確かめていただければ幸いです



 民主主義のために と題する記事を続けてきましたが次回が最終回になる予定です 当初は3回で終わるだろうと思っていたのですが描いてるうちにあれもこれもとなってここまで続きましたが次回で終わると思います ただ次の記事に手こずりそうな気がして日数がかかるかもしれません 民主主義の本質から入って(これはそんなに難しくはない)どうすればいいかということで政教分離のテーマ(これが難しい 宗教とは何かに関連するので)に分け入っていくつもりです かなり言葉を練らなければならないと思うので、、、、自分が投げ出さないためにここに予告しておきます それでも投げたらゴメンね m(__)m