民主主義のために その2 憲法の本質 | やまのブログ

民主主義のために その2 憲法の本質

 90年代の半ば頃です バシストで白人の友人2人とチラムを回している時にラジカセ(懐かしいね)からビートルズのレボルーションが流れてきました 




 英語は得意じゃないのですが それでもこの歌が暴力的な革命を主張する人達を揶揄してるらしいってのは分かってましたがそのうちにこんな歌詞が出てきたんだ
You say you'll change the constitution 
で 私はなにげなく尋ねたんですよ constitutionって何? そばにいたのはイギリス人とイタリア人だったのですが私の英語が拙いということもあり2人とも説明に困っていたようでした イタリア人のミケルは両手を組み合わせながら何かと何かが組み合わさってなんたらと言ってたようですが私にはさっぱり分からなかった イギリス人のショーンはconstitutionって言葉は俺たちのところから現れたもので日本にはこれを意味する言葉はないかもしれないって言ってたのを憶えてます 

 さてところで 2001年に争うためにわざと大麻所持で捕まった時にカンナビストの麻生結氏が憲法の本を差し入れてくれたんですよ 法学部の教材用に作られてる本でした まともに日本国憲法を読んだのはその時が初めてです そこで憲法を英語ではconstitutionと言うのだと知ったのですが でも ちょっと待って! 

 constitutionは憲法とも訳されることがありますがconstitution即ち憲法と単純に捉えると私たちは勘違いします 

 constitutionの本来の意味は構成や構造あるいは気質などを指しているんですよね 辞書を見ても憲法という訳が出てくるのはずっと後の方です みなさんの辞書でもそうなってると思います ミケルの言うのが正しかったんです

 そしてもう一つ この記事を描いてる今になってショーンがconstitutionに相当する言葉は日本にはないかもしれない と言った意味が分かった気がしています だってショーンの母国であるイギリスには成文憲法はないのですから 日本人の私達とは捉え方が違うのかもしれません ここ大事なところですよ



 麻生結氏にもらった憲法の本からはもう一つの大事なサジェスチョンがありました 憲法と憲法条規は違うということです 憲法を英語では「constitution」となりますが憲法条規については「constitution law」となり厳密に分けられているようです lawは法や法律の意味で分かりやすいものです つまりね 憲法は憲法条規や法律とは性質の違うものだってことです 
 
 憲法は法律とは違っていくつかの基本要件で構成されているということです 
 私達の日本国憲法で言えば国民主権と基本的人権の尊重そして平和主義の三つがこれにあたります 日本では前文と呼ばれているものが本来の憲法なんですね

 憲法条規はその憲法の下に国体の基本となるところを定めているんですね 
 日本国憲法の条規で言えば天皇の地位や三権分立や議員内閣制である等々がそれです

 大事なことなので繰り返します 憲法は憲法条規や法律とはその性質が違います 憲法は複数の基本要件で構成されているんです だから

 だから 憲法に合致しているかどうか 違憲ではないかを考える際には道義を見極めなければならないと言うことです 分かりますでしょうか?

 以下憲法条規の第9条を例に具体的に述べてゆきますが 現実の国際情勢は無視して純粋に理論的なことだけに限って述べますのでそのつもりで吟味していただけますようお願いします(現実を考えながらやると話が長くなるしこの記事の本題から外れるのであしからず)

 さて 安保法制が議題にあがった際にほとんどの憲法学者は違憲だと考えたようです 9条の下に考えればその通りでしょう そもそも自衛隊そのものが9条に反している でもね

 でもね 私に言わせればその9条自体が憲法に違反している可能性が高いのです どういうことかを次に説明します

 9条は日本国憲法の3要件のひとつである平和主義の下にあるでしょう 戦争なんかしたくないし起こってほしくもありません しかしながら日本国憲法が効力を持つのは日本に対してであって外国にはその効力がありません なので日本国憲法により日本が他国を武力で攻めることを規制することは出来ても他国が日本を武力で攻めることを規制することは出来ません

 で 他国が日本に武力で攻めてきたならばどうするか 選択肢は二つ 抵抗するか受け入れるかです 

 相手は武力で攻めてきているのですから抵抗するとなるとこちらも武力を使わざるを得なくなるでしょう そうなると双方に死人が出るのは避けられない 残念ながら日本の平和主義は崩れます

 あくまで平和主義を守りたい 他国が武力で攻めてきたからといってこちらも武力で対抗しては死人が増えるだけだ 他国が武力侵攻してきたら逆らわずに素直に従うべきだ と考える人もいるでしょうね 例え殺されても殺さないという考え方は崇高なものかもしれません 究極の平和主義かもしれません ただし

 ただし あくまで平和主義を守るために武力を使わない選択をした場合には日本国憲法の基本要件である平和主義以外の他の二つが崩れます 

 他国の武力侵攻に対し武力抵抗をせずに受け入れるのですから当然日本は占領されるわけです そうなると国民主権は崩れ基本的人権の保護も保障されません

 さて他国が武力侵攻してきた際に抵抗するか受け入れるか あなたはどちらの選択をしますか?

 私は前者の選択をします 後者を選択すると言うことは正当防衛を認めないのと道義ですしね 私はそれが当然だろうと思っているので9条は違憲だと考えています
 しかし日本には9条を守れと主張する人が存在しますでしょ 殺されても殺すなという崇高な人達がいるということですね 主権なんかいらない奴隷でもいいから平和主義を貫くという、、、 私の様な俗人には及びもつかない聖人なんでしょうか

 9条は憲法に比べれば一段低い憲法条規であるとはいえ国体の基本を形作るものですから重いものであることに違いはありません どうするのかは国民投票で決するべきだろうと考えています その時あなたはどちらを選択しますか?



 なお ここで描いたような憲法と憲法条規を分けて考えるのは日本では私だけかもしれません(麻生結氏に貰った本でもサジェスチョンはありましたがそれ以上に踏み込んではいなかった) 皆様の意見をいただければ幸いです