8月6日を前に。もう1つの慰霊碑 | 「シェ・ヤマライのブログ」

8月6日を前に。もう1つの慰霊碑

先日、江波山公園内の『母子愛之像』 を紹介しましたが

その時、近くに「魚介藻類慰霊碑」があることをもご紹介しました。

同じ慰霊碑ですが2つは建立時の碑への想いが少し違います。


『母子愛之像』は原爆により犠牲となった多くの御霊の鎮魂の碑です。

(江波地区だけでも、1万人以上が原爆の犠牲になりました)

平和への想いが碑の建立の礎にあります。

一方で『魚介藻類慰霊碑』は正式名を『廣島工業港魚介藻類慰霊碑』と

言い、昭和15年に建立されたもので当初はヒノキの碑でしたが、昭和46年に

石碑となりました。


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昭和15年、江波沖を埋め立て、広島を工業の拠点とすべく港の整備の起工に

あたり碑は建立されました。

それまで江波山の南側は宇品、観音、草津へと続く漁場となっており

埋め立てにより、多くの魚介藻類の生命を断つことへの回向(えこう)と同時に

漁により生計を立てている人々へ損害を与えます。が、埋め立て事業に

対する漁業関係者の理解と協力に対し、感謝と敬意を表した碑です。


時に戦争へと盲進(もうしん)していた頃、広島が軍都としての道を歩み続けて

いた時です。

2つの碑は慰霊という目的は同じでも戦争という暗黒の時代に振り回された

歴史の証言でもあります。


この2つの碑が同じ場所に、並ぶように建っていることに、広島が持つ歴史の

混交(こんこう)と重みを感じます。


明日(8月6日)は平和を祈りつつ哀悼の意を捧げます。