西穂高岳。昨年、当時小学校1年生の息子と西穂山荘でテント泊をして、独標まで登った思い出深い山である。



息子とその年の年初に決めた富士山、涸沢、西穂独標という3つの目標のうちの一つ。小学校1年生の息子にとって、そして僕にとっても初めての北アルプスでの登山。思い出深くならないわけがない。



西穂山荘でのテント泊も楽しかった。テント泊した翌日は上高地に行ってみようと、上高地側へと2人分の重たいテント装備を背負って息子にプレッシャーをかけられながら下山したのも良い思い出だ。



息子との登山であったため、我々のゴールは独標で、その先には行っていない。親子登山としては当然の判断だが、僕個人の気持ちとしては、その先に行きたいという気持ちを持ち続けていた。週末、日帰りで行ける山というのも、長女が生まれて間もない僕にとっては好都合だ。雪が降り始める前の今がチャンスだと思い立ち計画を立てる。



しかし、数日前時点での週末の天気は雨。なかなか思うようにはいかないなぁと落胆しつつも、低気圧の進路には気を配っていた。基本は太平洋側を低気圧が進むので、そこから遠ざかる意味で北に行った方が影響は受けにくいし、低気圧の進路が南にズレてくれれば、北アルプスは雨が降らない可能性もある。そんな考え方で前日の夕方に判断しようと決めていた。


そして前日の夕方。更新されたヤマテン予報を見て思わずガッツポーズ。低気圧の進路が想定より南にズレてくれたおかげで北アルプスは雨が降らない。ガスはかかりそうだが、今回僕が西穂高岳に求めるのは景色ではなく、険しい岩峰を制したという達成感。よってガスガスでも構わないという発想。



条件は整ったということでいざ西穂高岳へ。ちょうどこの時期の週末はロープウェイの早朝臨時便が出てくれるので、日帰りでも早めの登山開始が実現できるのも嬉しいところだ。その早朝便に確実に乗り込むため、いつも通り深夜の高速道路を走って、1時前には駐車場へ到着。



早朝便は第2ロープウェイのみの運行なので、鍋平登山者用駐車場に駐車。写真は朝5時過ぎのものだが、曇り予報にも関わらずこの時間帯でもそれなりの車が停まっているから驚きだ。



駐車場からは車道を20分ほど歩いてしらかば平ロープウェイ駅まで移動。もっと近い駐車場もあるが、そちらはトイレがなさそうだったので、遠くてもトイレがある方にした。



臨時便は7時発。6時半には駅がオープンするということでしばらく並ぶことに。僕の前にいた人は一人だけ。




予定通り早朝臨時便のロープウェイに乗り込むことができた。どんよりした天気のせいか、そんなにぎゅうぎゅうにはならない。



ロープウェイから見えた槍ヶ岳。結局、今年も槍ヶ岳には行けなかった。スマホの待受は、奥穂高岳から撮影した槍ヶ岳なのに、実はまだ行ったことがないという間抜けな状況。



そして西穂高岳も。ロープウェイに乗っている時点では、このような感じで何とかガスに覆われることなく、その全容を見せてくれた。あんなギザギザを登るのかと思うと楽しみになってくる。



程なくして西穂高口に到着。展望台には寄らずにトイレだけ済ませて登山口方面へと向かう。



登山口に向かう途中で撮影した西穂高岳。先ほどロープウェイから撮った時からそんなに時間は経っていないのに、ちょうど山頂付近がガスで覆われ始めた。まあ予想通り。今日の目的は景色ではなく岩登りなので、そんなに残念な気持ちとかにはならない。



そして登山道の入口。1年ちょっと前に息子ともここから登った。気を引き締めて登山スタート。



最初のうちは樹林帯歩きが続く。何てことはない道だが、こういうところで気を抜いて捻挫とかすると良くないので、気をつけながら歩みを進める。



時折り樹林帯の切れ間から笠ヶ岳方面が見えるが、やはり分厚い雲に覆われている感じだ。



雲海という意味ではなかなか立派。山に登っていると、雲海をウリにした観光地が馬鹿らしく思えるくらい素晴らしい雲海に出会うことが多いというのは、多くの登山者が同意してくれるところだろう。



そうこうしていると西穂山荘に到着。ここで少し休憩して、ヘルメットを装着。独標近くで装着してもいいのだが、途中でザックを降ろしたりするのが面倒なので、ここで着けてしまう。



ここからが本格的な西穂高岳への稜線歩きとなる。まずは息子とも登った独標へ。そしてその先の未知の岩稜地帯を目指す。



というわけで、今回はこのくらいにして、西穂高岳のピークハントを目指す山歩きの様子はまた次回に譲ることとしたい。