しまんとジャーナル Vol.20 | しまんとジャーナル by 山沖興産

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しまんとジャーナルでは四万十市で見つけた素敵だと感じたヒト・モノ・コトを中心にアップしていきます。次はアナタのところへ取材させて頂くかもしれません。

【しまんとジャーナル Vol.20】

『一本の串カツに、感謝を込めて』

 串カツ『瓦』が天神橋アーケードそばの栄町に場所を移転後、明日オープンを迎えます。オープンを2週間後に控えた午後、マスターである野町 昌志さん(55)を訪ねて、”今までのこと”から”これからのこと”まで尋ねました。


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▲カウンターには『にちにちこれこうじつ』の文字が。

―27年目を迎えて新しいお店を決意したのは?

動きやすい店内で末永く続けていけるお店を構えたかった、それに休憩出来るスペースも欲しかったので。

―今回新店舗はどこに設計をお願いしましたか。

同い年の矢野さんというWIDE設計さんにお願いしました。

―席数は以前のままですか?

席を増やすと、てんぷらを揚げる人が自分以外にもう一人必要になるのでそのままですね。

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▲依然と同じ席数のままでゆったりと寛げるスペースを確保した。

―新しいメニューなどは?

新たにメニューを設けてはいません。あまり気付かないかもしれないけど『おまかせ』の中身に実は変化があるんです。代表的なエビ、肉などは外さずに最初に出して、季節の食材を使ってちょっとずつ変化を入れてご用意してます。

―メニューの価格帯はいくらですか?

『おまかせフルコース』が20本で3700円前後(季節の食材で変化あり)ビールが一杯500円ですね。

―駐車場はありますか?

駐車場はスペースがないので、市役所等の公共のスペースに置いて頂けたらと思います。


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▲『瓦』の看板は以前のままのイメージカラーで。

―場所が変わる事の不安はありますか?

酔った人にシャッターを壊されたりする不安はあるかな(笑)

―今までに最も大変な時期は?

お店を開いた最初の1年間はお客さんもまだ来てくれない。このままではダメだから次は何の仕事をしようかと毎日考えてたね。

―以前の場所で続けていくという選択肢もあったのでは?

自分の納得いく空間で仕事をしてみたかった事が一つ。もう一つは、これから何十年やれるか分からないけど、家賃を払い続けていっても固定資産が残らない事が二つめの理由かな。

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▲このカウンターで愉しい時間を過ごせるのは、明日から。

―新しいお店に意気込みは?

意気込みは特にないです。浮き足たたないように、エエ気にならんように細く長く続けていけたらと思ってます。

―これから、どんなお店にしていきたいですか。

末永く、可愛がってもらえるお店でいたいですね。瓦の串カツを食べて育ったお客さんが県外で串カツを食べた時に「瓦の串カツって、美味いな」と思って貰ったら嬉しいかな。逆に県外からフラッと立ち寄ったお客さんに「しまんとにも美味い串カツがあるんだ」と感じて貰ったら嬉しいね。

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取材は最終営業日の午後に、以前のお店で行われた。

野町さんは午後3時前になると席を立ち、コーヒーの豆を挽き始めた。お店をお願いしている大工さんに毎日欠かさずコーヒーを持参しているという。”当たり前の事を、当たり前にする”その小さな積み重ねが、27年の月日を経て、静かに大輪の花を咲かせようとしている。