2019年10月1日から2020年3月31日まではサバティカル。創価大学より特別研究員の資格をいただき、秋学期の授業を持たずに研究と海外交流に専念しています。

 

創価大学では長い間とにかく目の回るような毎日を送ってきました。このサバティカルでは同僚の先生方に多大な迷惑をかけながらも貴重な時間をいただいて、自身のライフワークとする研究を新しいステージに上げるための時間を使ったり、それだけでなく新しい世界へと旅したり、そこから自分を見つめ直したりと、有意義に過ごしてきました。

 

特にインド・デリー大学セントスティーブンス校では客員教授として3ヶ月間滞在し、自分の世界観を深められるような貴重な経験をしました。これからもインド文化の探究、インド諸大学と創価大学との交流のお手伝いは続けたいと思います。ありがたいことに4月から創価大学南アジアセンターの所員に任命いただくこととなりました。
 
実は私のパスポートに添付されているインド・ビザは6か月間有効で、有効期限が本日2020年3月12日まででした。しかし3月3日にインド政府から、Covid-19の感染拡大防止のためインド国外にいる日本人のインドビザをすべて無効とすると発表があったため、9日前倒しで無効になってしまいました。自分が持っている外国ビザが途中で無効になったのも人生で初めての体験でした。不思議な感覚で今、そのビザを眺めています。セントスティーブンス校に残っている留学中の創大生たちは無事に過ごしているかなあと思い巡らしたりします。
 
10月下旬には中国・華僑大学からの招待講演で、インドから中国へ渡航するという貴重な体験をしました。そして、つい先日の2月から3月にかけてはフランス・東洋言語文化大学からの招待講演で初めてフランス・パリへ。いずれも言語学研究者の方々との研究交流によって学ぶところが多くありました。
 
インドでは3ヶ月間、一度も体調を崩さず。中国の5日間は水に当たって高熱と脱水症状。フランスの6日間は元気いっぱい。と明暗が分かれました。中国の先生方、自分の不注意であって、貴国には何の咎もございません。
 
フランスは私が滞在した期間が、ちょうどCovid-19の感染が拡大し始めた頃でした。私がルーブル美術館を訪れた次の日に、ルーブル美術館の職員が出勤拒否したニュースが入って来ました。一日違いでした。パリでの最終日、どうにかマスクを買おうと、スーパーマーケット4軒と薬局2軒に寄りましたがどこもマスクは品切れで手に入りませんでした。そもそもフランスの人々は日本人ほどマスクをしないらしく、もともとの生産量自体が多くないため、すぐに品薄になったようです。パリから帰国した次の日からフランスでの感染者数が急激に増えて行きました。これも自分がその場にいるような不思議な感覚でニュースを見つめています。
 
インドへ出発した9月に81㌔あった体重が今では73㌔まで減りました。半年で8㌔も減ったのは私にとって人生最大の激やせですが、やっと本来の自分に戻ったような気がします。身も心も軽くなりました。職場では皆さん感染症対策に追われていてそれどころではないので誰も何も言ってくれませんが(笑)、長男には「どこか悪いんじゃないか?病気なんじゃないか?」と真剣に心配されてしまっております。
もちろん私自身は極めて健康です。明日、病院で検査をする予定なので、そのことを証明してきたいと思っています。
 
自分の写真は貧相に感じるので載せません(笑)その代り、私が撮ったお気に入りの写真から印象深い歴史の門の写真2枚を載せたいと思います。いつかまた再びその地を訪れたいと念願しつつ。
 
インド門 1931年完成 高さ42m インド・ニューデリー 2019年10月10日撮影
 
エトワール凱旋門 1836年完成 高さ50m フランス・パリ 2020年2月29日撮影
 
最後に、お世話になったインド、中国、フランスの各大学の先生方、学生の皆さん、関係の皆様に心から感謝いたします。そして、このような貴重な機会をくださった創価大学、馬場学長、同僚の先生方に深く感謝し、ここで得た財産を必ず大学に還元していくことをもって御恩返しとすることをお誓いいたします。