こちらの平均値の不等式からの証明につきまし
ては、代数学の基本定理の証明コレクションで
ある、「The fundamental theorem of algebra
/ Benjamin Fine, Gerhard Rosenberger.」
を参考にしています。

こちらの書籍ですが、微分積分・複素解析・代
数(体論、ガロア理論)・位相幾何など様々な
方法で代数学の基本定理の証明を試みるいう数
学科学部3、4年生程度の方を対象とした書籍
です。素晴らしいコンセプトです。ただし、数
学科卒業研究のゼミの本で使うには、位相幾何
やガロア理論の証明をはしょっているのでもの
足りないかも知れません。適宜他の専門書で補
いながらゼミすすめるとよいでしょう。

さて、今回紹介する証明で使われている平均値
の不等式はガウスの平均値の定理や最大値の原
理の系です。後者二つからも代数学の基本定理
は証明でき、R→∞において、今回紹介する証
明と同様な漸近的な評価、同様の論法での背理
法を使っているので是非比べて下さい。

ガウスの平均値の定理による証明

最大値の原理からの証明