ショパコンの予備予選が終了し、ちょっと物足りなさを感じるこの頃です。
6日にはショパコンの本大会に出場するピアニストが発表になりました。
予備予選に出た内の3分の1程しか本大会に出場できないという狭き門。
予備予選を通過した者と予備予選免除のピアニストも合わせて発表されました。
予備予選の結果はそれほど、驚くものではありませんでした。私が気持ちよく聴けたと思われる人は通過していましたから。
反面、違和感のある演奏をした人は落選していました。
中国の精鋭たちの演奏には驚かされました。似たような名前が多くて、覚えられないし、しっかり視聴するより流して聴いていることが多かったので、誰がよかったか語ることはできません。ただ、夜、パソコンでゆっくり視聴できた人で印象的だったYANYAN BAO(バオ・ヤンヤン)だけは、記憶しています。やたら、高速で弾く人が多い中、ゆったりしたテンポで曲を歌い上げていて心が和みました。
東海林茉奈さんの美しいショパンがきちんと評価されたのは嬉しかったですね。それと、小野田有紗さんの包装力のある悠然とした演奏も魅力的でした。ショパンらしい演奏だけど、ガンガンいく演奏に負けてしまうかもと思っていたので、この二人が選ばれたことで、本来のショパン像を今回は求めているような気がしました。
ちまたで、亀井さんが落とされたことで、いろいろ言われていますが、私は演奏を聴いたときから、危惧していました。一言で言えば、なぜ、審査員にケンカを売るような演奏するのかな?と思いました。
審査員は、ガチガチのポーランドのそれも大御所たちがほとんどで、伝統的なショパン像があり、それを壊す演奏はしてほしくないと思っているはずですから。
別のピアニストでもことごとく引っかかる解釈の演奏をする人がいて、聴いていてイライラさせられた方も落とされました。
亀井さんは素晴らしいピアニストだと思いますが(ピティナで優勝したときから注目しています)、ポーランドの人の考えるショパンを理解していなかったからかなと思います。
コンクールはそれ相応の対策が必要で、それぞれ癖があり、求めるピアニストも違います。先回、反田さんはショパンコンクールを受けるために6年の月日をかけ、準備したと語っていました。モスクワ音楽院からショパン音楽大学に留学先を移し、ショパンの神髄を学んでからコンクールを受けています。
今回、やたら内声や対旋律を強調する演奏が多かったですが、先回のショパコン時のインタビューでピオトル・パレチニ先生は「時に主旋律より対旋律を強調して弾くピアニストもいますが、これが偽物である亊はショパンの楽譜を見れば一目瞭然です。」と語っています。
ショパンの曲はバリバリ弾くより、カンタービレが大事なのかなと個人的には思っています。そして、エチュードより、マズルカを上手に弾いた方が評価されるらしい。マズルカが素晴らしければ他が少々だめでも、通過する?
異論のある人はいるでしょうが、ポーランドの人が大事にしているものが少しわかったような気がします。
ふと、日本の人が土足で家に上がってくるのは受け入れられないし、箸の持ち方が美しくない人(握り箸しか出来ない人)は、教養のない人、躾が出来てない人と思われるのが普通です。
そういった当たり前にもっている感覚が、ポーランドにおけるショパン像の中にあるのかなと、今回の審査を見て思いました。
先回、ちょっと個性的すぎる演奏が選ばれ、その反動が今回、来ているかもしれません。今年は、ショパニストが選ばれるのかな?
10月の本大会が楽しみです。