楽譜が邪魔する | 私のピアノライフ  with classical music

私のピアノライフ  with classical music

ピアノ練習、コンサート等で感じたことを気ままに語っていきます。

藤田真央さんの文藝春秋のライブトークは興味深い話が盛沢山で、面白い。

そういえば、藤田真央さん、カーネギーホールでのデビューリサイタル、大成功だったそうで、おめでとうございます。

 

藤田さんは、クララハスキル優勝、チャイコフスキーで2位、そして、スカラ座デビューから、あっという間に世界中で引っ張りだこのピアニストになりましたね。

 

去年の夏頃、しきりにジャンパーMAOと言われて騒がれていました。名だたるピアニスト(ユジャ・ワン、アルゲリッチなど)の代役を何度もこなしていたわけで、その時の話も出てきました。

 

その代役が、ほんの数日前に依頼があって引き受けたこと、その間に自分自身のコンサートも入っていたこと、それも隣町でなく国をまたいでの移動となることなど、人間技とは思えないスケジュールをこなしていたようです。

そして、代役だから無理しなくてもいいよ(楽譜を見て弾いてもいいよ)、引き受けてくれただけでもありがたいのだからと言われたのですが、藤田さんは、暗譜で演奏会にのぞんだそうです。

 

その中で、楽譜があると、壁ができてしまって、音楽が変わったものになってしまうというようなことを言っていました。(表現が間違っているかもしれませんが…)

協奏曲は、指揮者、オケとコミュニケーションをとりながら、演奏するスタイルなので、そこに楽譜があると、そのコミュニケーションが違ったものになることは間違いないでしょう。

 

ピアニストはソロの場合、ほとんど、暗譜で演奏をします。

たまにというか、高齢のピアニストが楽譜を使う人がいますが、私は楽譜を見て演奏するスタイルに違和感を感じます。

楽譜をおいてガサガサされたり、譜めくりの人が演奏中動いたり(当たり前ですが)すると、なんか聴く集中力が奪われてしまい、気分が下がります。

ピアニストはピアノと一体になってほしい!

 

アンサンブルで楽譜を使うのは全然、嫌じゃないけど、ソロやコンチェルトは、暗譜でするべきだと思っています。

演奏家の気持ちが楽譜にいってから、音楽が聴衆に届くのと、演奏家から直に音楽が聴衆に届くのでは、決定的な違いがあると思うのです。

 

暗譜で弾ききった藤田さんにブラボー!

 

余談ですが、見かけによらず藤田さんて精神的にも肉体的にもタフですね。だから、世界のMAOになったのでしょうね。