掛け軸「一山行尽一山青」(遠州茶道宗家 紅心 小堀宗慶宗匠 書) | 山野ゆきよし日記

掛け軸「一山行尽一山青」(遠州茶道宗家 紅心 小堀宗慶宗匠 書)

 7月28日、遠州流金沢兼六支部納涼茶会へ。市長時代は、本当によくお茶会に出席していた。立場上、正客(お客さんの代表のような感じ)の席にご案内されることが多かった。最初は遠慮していたが、50歳を過ぎたくらいから、お茶の心得はなくとも、社会的にまた年齢から言っても、覚悟をして座らせていただいていた。

 

 市長退任後、お茶会へ出席する回数はめっきり減りはしたが、ここにきて、いくつかお茶会や茶事(懐石をふくめた、いわばフルメニュー)が続いている。さすがに、正客は遠慮させていただいているが、その都度、亭主(主宰者って感じかな)との会話を楽しみにしている。

 

 やや、旧聞になってしまうが、この日のお茶会の掛け軸は、ずっと気になっていた。残しておきたいと思い、ここに書く。

 

 

「一山行尽一山青」(いっさん いきつくせば いっさんあおし)、と読む。

 

 唐の詩人、羅鄴(らぎょう)の詠んだ「行次(こうじ)」と題する詩の一節から。前の句から続く。

 

『終日長程復短程 (終日 長程 復た短程)

 一山行尽一山青 (一山行き尽せば 一山青し)』

 

 一日中、長い距離を進んでは休み、短い距離を行っては休み、やっと一山越えたと思ったら、そこにはまた新たな山が青々とそびえていた、と言う意味。

 

 学びの道において、絶えず新たな課題を持って、限りなく究め続けなければならないという教え。

 

 書かれたのは、遠州茶道宗家 紅心 小堀宗慶宗匠、12世お家元。渡された際のエピソードもお聞きする。ここでは書かないが、これがまたよかった。

 

 

 お茶会、茶道では、いろいろな学びもある。やはり、金沢、すこぶる魅力的なまちだ。