スターリンクの課題 | 山野ゆきよし日記

スターリンクの課題

 昨日のスターリンク設置への反響が大きいので、いくつかの課題を白状すると同時に今後のことも少し整理したい。

 

①思いのほか電波の範囲が狭い

 

 当初、ネット等の情報から、電波が届く範囲は50~60mくらいと理解していた。ただ、これは、おそらくは、平地で何の障害物がない状態のようだ。珠洲市役所のように4階建てで、アンテナ設置はその屋上でさらに一階上位になる。アンテナとルータとのコードは20mしかない。3階と4階の階段の途中にルータを設置。

 

 建物もおそらくは4~50年以上経過している古いもの。壁も厚く柱も太い。電波もなかなか届かない。市役所の2、3、4階はいいが、1階になると電波が急に弱くなる。延長できるコードが必要。さらには、より数多く設置をすることも対策の一つ。

 

 

②大雪に弱い

 

 屋外に置かれることを想定したアンテナには一定の融雪機能がある。昨日の雪くらいでは大丈夫であったが、さらに大雪になると電波が急に弱くなるという。そんな報告もネットで見られる。これからの時期、ときどき確認をしなければいけない。ここは人力によるしかないか。

 

 

③セッティングはそんなに簡単ではない

 

 添付のマニュアルは英語。大学受験程度の英語力から低下の一途の私からすれば、手に取っただけで気が遠くなる。ソフトバンクは日本語で図入りのマニュアルを作ってはいるし、それを眺めながら触ってはいたが、それなりに手間取ってしまう。

 

 私は全日本人のごく平均的なITリテラシーとは思うが、そこに届いていない方たちにとっては、自分ですべてやろうとするとちょっと大変かな。特に、避難所にいる方たちは高齢者が多い。また、避難所でお世話されているただでさえ多忙な県市職員に求めることは、ちょっと酷なような気がする。

 

 ここにきてKDDIがStarlink Japan社と連携して350台を提供というニュースが入ってきた。素晴らしいこと。ただ、報道資料によると、順次被災地に配送するという。おそらくは、KDDIなりStarlink Japan社の社員さんが、私たちが昨日したようにすべてのセッティングをされると思うし、そこまでのことを期待したいところ。箱だけ送られても有効に使われるかどうか心配。

 

 そこが見えてくると、次は、国から派遣された職員が中心になっていただいて、ソフトバンクやKDDIと連携して、無駄なく順次広めてほしいところ。ただ、そこは、私の手が出ないところ。忸怩たる思い。

 

④支援自治体職員の協力はありがたい

 

 ある県からソフトバンクに依頼があり、避難所にスターリンクを設置するので、ものを用意してほしいとのこと。これは心強い。県職員クラスの知見があり、あえて、その要請があるということは、先に挙げた①~③の課題を十分理解してくれているであろう。今後は、ソフトバンクやKDDIの社員が走り回るだけでなく、そんな方たちの力もお借りできたら。一つのヒントになるかもしれない。

 

 今日の私は、スターリンクの設置ではなく、WOTAで能登に入る。