「私の履歴書(丸山茂雄(SME元社長))」(日経新聞2022年7月17日) | 山野ゆきよし日記

「私の履歴書(丸山茂雄(SME元社長))」(日経新聞2022年7月17日)

「私の履歴書(丸山茂雄(ソニー・ミュージック・エンタテインメント元社長))」(日経新聞2022年7月)

 

 今月の「私の履歴書」丸山茂雄氏は、最高に面白い。いよいよ、17日は、あのプレイステーション(プレステ)誕生。

 

 私がソフトバンク在職中、チラチラと聞いていた話のいくつかが具体的に書かれてもいる。もっとも、私は、ソニーが家庭用ゲーム機を出すと聞いて、絶対に失敗すると思っていた。あの化け物任天堂に勝てるはずがないと思っていたからだ。

 

『初代社長を誰にするか。ソニーは威張っていてゲームソフト会社の評判がよくないから、腰が低く受けがいいSME出身者から選んだほうがいい。』

 

 これは、業界人としてよくわかる。ゲーム機でいえば、ゲームソフト会社やゲーム本出版社(ソフトバンクもその一つ)における、任天堂の評判はボロクソであった。PCマシンでいえば、NECや富士通も生意気であった。

 

 ソニーグループの新ゲーム機が、任天堂に勝てるとしたら、この間隙を縫うことしかない。

 

『久多良木さんは歯に衣着せぬ物言いが持ち味で、ほうぼうで誤解を生み、いらぬ反感も買った。』

 

 はいはい、ゲームが担当でない私にもその噂も流れてきた。

 

 次、少々長いが全文引用する。自分自身への戒めのためにもだ。

 

『私はいずれ任天堂との決勝戦に勝つのが目標だと思い込んでいた。しかし、久多良木さんは違った。「そのあとに米インテルとの勝負がある。ゲームから半導体へとビジネスを切り開くビジョンがあった。これが事業の推進力になった。』

 

 今は伝わらないかもしれない。当時の米インテルは、化け物なんてものじゃない。

 

『まさに熱い野心を秘めたベンチャーだ。プレステは親会社にやれと言われて始めたわけじゃない。当事者たちがどうしてもやりたくてやったのだ。こうじゃないと新規の事業などうまくいかない。時には強引乱暴な方法で親会社から予算をとってくる。行儀のよいベンチャーなんてありえないよね。』

 

 恥ずかしながらこの年になっても、私は、こんな話が大好きだ。