2016中国・韓国出張備忘録8 | 山野ゆきよし日記

2016中国・韓国出張備忘録8

 7月2日5時50分ホテルロビー。ホテルにいたのは6時間あまり。金浦空港から羽田空港へ。乗り換えて小松空港。家に帰りシャワーを浴びてから会合に出かける。と、そんな感じで「中国・韓国出張」を終える。「備忘録8」としてもう一度整理する。

 今回の視察において一番の特長は、金沢市長である私と金沢美術工芸大学の前田学長とが原則同じ行程であったということ。

 蘇州市との今後の交流の核になるのは、「創造都市」しかも同じクラフト部門において認定を受けているということ。早速、蘇州博物館で「金沢市伝統工芸展」を開催し成功をおさめる。これからも作家同士の交流やさまざまな企画展のアイデアも出てこよう。その際、金沢美大には相応の役割も期待される。

 また、蘇州大学芸術学院からの熱烈な交流要請もあった。ただ、金沢美大の規模を考えると、いくつもの大学との協定締結は現実的でもあるまい。そんな中、前田学長の思いとしては「アジア美術交流会議(仮称)」なるものを立ち上げ、その中で、さまざまな企画等々を見きわめていきながら方向性を定めていきたいというところのようだ。

 当然、大連工業大学や全北大学、また今回私はお伺いできなかったが、魯迅美術学院との連携も議論されてくることになろう。

 大連市との交流は、先方の強い要望もあり、スポーツに特化した合意書にもサインしたところである。大連・富山便が存在しているという要因もあり、マラソンをはじめとして新たな交流も期待できる。

 全州市とは提携期間は14年とそんなに長くはないが、距離的に近いということもあり、文化交流のみならず、少年柔道、ソフトボールといったスポーツ交流盛んである。また、金沢でいうところの金沢町家もしくは伝建地区に該当する全州韓屋村(はんやむら)との交流、さらに食文化という分野ではあるが、ユネスコの創造都市に認定されているということ等々、これまでも積極的な交流がなされてきたし、これからも期待できる。

 さて、私が今回大きく感じたこと。

 金沢市日中友好協会の西野正次会長の長年の献身的な活動ぶりのおかげで、金沢市と蘇州市との交流がどれだけ助けられてきたことか。金沢市の国際交流員等の経験者による「金沢・蘇州サポーターズクラブ」は、彼らが金沢滞在中に、西野会長に大変お世話になったからこそ、その恩返しとして作ってくれたものといっても過言ではない。

 大連市との関係は、NPO法人日本海国際交流センターの古賀克己会長あったればこそである。古賀会長は大連市の名誉市民ということもあり、大連市滞在中は、常に配慮ある対応をいただいた。すべての訪問先において、大連市関係者のあいさつは古賀会長へのお礼の言葉から始まる。

 蘇州市での西野会長、大連市での古賀会長、このお二人の存在抜きにはこれまでの両都市と金沢市との交流はあり得なかったであろう。

 これからもお力添えをお願いすると同時に、これからの金沢市としてのしくみも工夫していかなければならない。それにしても、やはり「人」の関係に尽きるんだな。

 もっと報告はあるけど、以上で終えたい。その他も含めて、これからの施策の中で反映していく。