両神山の白井差新道を登るというのは、私にとって特別な魅力ではなかった。しかし4年前から計画していたことだし、まあ一つずつやっていこうと思って決行した。
ここは言わずとしれたY氏の私有地なので、まず電話予約を入れることから始まります。
誰もいない、初めて貸し切りの山頂!
本日のGPS軌跡、安全のため往復が原則となっている。
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)
注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。
【2024年6月12日(水)】 両神山白井差コース
白井差登山口7:50~オオドリ河原8:40-45~両神山10:10-20~登山口11:45
行動時間:3時間55分
両神山のメインコースである日向大谷口の南側、県道367がアプローチになる。まずびっくりしたのは、この大規模な露天掘りだった。秩父御岳山の北側末端あたり。見た目には武甲山かと思うほどだった。さらに奥へと進みます。
Y氏宅前に到着。すでに1台入山していた。以下、やりとりから。
Y「両神山は初めて?」
ス「いえ日向大谷と七滝と、去年は梵天尾根から。」
Y「変わったことやってるねえ。」
Y氏の価値観では、梵天尾根をやるのは変人ということらしい。さてはおいても白井差新道はY氏の尽力で開拓されて維持されている。評判も高いコースです。
このマップを貸与される。「生きて帰ってきたら千円払ってね」と入山者に言い続けている。
では出発します、3度目の両神山。今日はとても静かな山が約束されている。
林道を少し進んでから山道に入ると、まもなく昇竜の滝が見えてくる。滝壺のそばまで降りられる。年々暑くなる世の中においては、こういう涼しげなコースがたくさん欲しい。
左から巻き上がっていきます。
だんだん見えなくなって、残念ながら滝らしい滝はこれだけ。
木橋がいくつも架けられて、沢を渡り返していく。噂通りに良く手入れされた道だが、手を入れすぎてない点も良い。
岩を見上げれば褶曲地層。
見事な地層の露頭が展開する。佐渡でたくさんのジオを見たので、岩を見ると反射的にジオの文字が浮かぶ。
ジオと樹木。
50分ほどでオオドリ河原に到着。百名山でも平日でメインコースを外せば、静かな登山が満喫できる。それができない山もあるけれど。
先週の金曜日には平標山・仙ノ倉山に登ったが、登山者数はまずまずだった。しかし次の土曜日にはYA○APに上がった記録数は、なんと180本! これはもう社会現象か。
先日のニュースでは、今年の2月に草津白根の立入禁止区域にYA○APerが770人入ってしまったそうですね。お行儀が悪いですね。
こんな木橋を渡ったら、沢筋を離れて尾根に上がっていく。地図を借りてきたけれど、見るまでもない。考え事をしていても間違えようのない道だ。
溢れるような緑の匂い。ブナの大木も混じってくる。
ブナが並び始めたら、
ブナ平です。
その先には夢見平もあったが、昼寝していくわけにもいかない。熊が出てきたら、夢か現か分かるまい。
まもなく先行の登山者が下山してきて、あいさつを交わした。予約制の山なので、なんとなく連帯感があった。「もうちょっとですけど、もうガスが出てきましたよ」、と言うので仰いでみると。
下界の狂った暑さよりは、はるかにマシだ。午後は雷雨かも。
やっと稜線の道標が見えてきた。山頂は右、左は梵天尾根のロングコースである。正面に立入禁止がぶら下がっているのは、八丁峠登山口へ下るバリエーションルートである。怪しい道は行かないに限る。それでも行くヤツがいる。
白井差新道を振り返る。
山頂まではあとわずか。岩がごつごつしてきたら、山頂の気配を感じる。
ジャンダルムが出現した。
おなじみの鎖場をすいすい登れば。
誰もいないことを確認しつつ、フィニッシュへ。
いつ来ても登山者が山頂からこぼれ落ちそうになっていて落ち着かない。本日は貸し切り。
お地蔵様の写真も撮れた。
最高地点も独り占め。
その時、日向大谷から登ってきた登山者が方位盤にタオルを干した。それが写らないように。
正直言って私は両神山の山頂にはあまり興味がないのですけど。狭いし、展望もすごいというほどではない。プロセスが面白いということでしょうか。
しばし休息したら下山します。今日の調子は普通の下だった。
斜面に群生しているこの草はなんだろう。
気になる草だ。
日向大谷コースの、のぞき岩がよく見えた。霞んでるな。
登ってくる御婦人二人とスライド。今日は合計4名様だったか。また緑の谷間へ。
また滝に涼を求めて。
Y「もう両神山は登らなくていいでしょう。」
ス「いや、あと八丁尾根は登りたいです。」あきれ顔のY氏でした。
その時突然現われた若者2名。予約制の山だから、と二人して説得してお引き取り願いました。とにかく気持ちの良いコースだった。
今日は家には帰らないので、時間がだいぶ余った。それでここへ。
こんな時代もあったのですね。
今の姿。
そしてこんなことも。緑化事業による山肌の再生。足尾を思い出しますね。
つづく