今日は栗駒山に登る予定だった。しかし山の天気予報が雨になったり霧になったり、コロコロ変わるので考えるのも疲れた。何度も通った鬼首(オニコウベ)カルデラへの道を選んだ。
目指すのは大柴山である。
ゲレンデの登行より、禿岳を望む
本日のGPS軌跡
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)
注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。
【2024年4月3日(水)】 オニコウベスキー場駐車場6:35~815m尾根上8:05-15~鍋倉山9:10-20~大柴山10:00-10~駐車場12:20 行動時間5時間45分
鬼首カルデラは直径が13kmで、外輪山には禿岳・須金岳・大柴山・花渕山などがある。荒雄岳はその中央火口丘だ。今日登る大柴山は、いずれ登ろうと目をつけていた山である。
スキー場入口まで来ると、いつものように禿岳が荒々しい山容を見せていた。
禿岳は2年前の3月にアタックして、雪庇と不安定な雪に阻まれて撤退した。山頂まであと少しだった。リベンジしたいという気分には、未だなってない。
オニコウベスキー場も少雪で営業を中断したり再開したりしてたが、すでに完璧に終わってます。ガラガラの大駐車場。では出発!
この山域の残雪期の記録はほとんどないので、どんな状況なのかは登ってみないとわからない。ゲレンデの残雪末端からアイゼンをつけて登っていく。念の為スノーシューをザックにくくりつけた。後方に鬼首カルデラが広がってきて、右手の黒い山塊が中央火口丘の荒雄岳。
今日は高曇りで風景も霞んで見えた。
スネークロードコースから中間点のラビットロードに合流して、急登も疲れるので以後はラビットを行きます。すでに汗だくになった。
ラビットロードは作業道レベルのジグザグコースです。雪はだいぶ締まっていた。
背後にはいろんな山が見える。禿岳に須金岳など。
とても静かなので、ゲレンデを登っているという感じはしなかった。普通に雪山っぽくて、気分がいい。スノーシューには後悔少し。
須金岳の左奥の真っ白な山は虎毛山のようである。
ひとまず標高815mの下部ゲレンデトップに到着。ここは主尾根上で、大柴山と小柴山の尾根の分岐点でもある。営業終了した施設は廃屋みたいな感じがする。うっすらと青空も広がったけれど、つかの間だった。ほぼ夏のコースタイム通りで、順調です。
ではまず鍋倉山に向かって。尾根上なのにゲレンデはまだ続く。ここも広尾根で、ゲレンデ的な感じはしなかった。そのほうが雪山らしくていいけれど。
直登していきます。
だいぶ登ってきて、小柴山から花立峠・禿岳と続く尾根が一望のもととなる。四月の始めらしい、風音もない風景だ。遠くは山形の神室山から火打岳の稜線だろう。
さて適当にブッシュの少ないラインを選んで登っていくと。突然仮設材でブナの周りにやぐらを組んだものが出現。そこが鍋倉山1095mの山頂だった。
何故やぐらを組んでるんでしょうかね。ひとまず登頂です。
ここはオニコウベゴンドラの山頂駅で、グリーンシーズンも動いている。夏は楽々と縦走が楽しめるわけだ。そんな季節にも来てみたい。
荒雄岳の彼方には栗駒山が見えている。なかなかタイミングの難しい山である。登るなら絶対に青空の日がいいし。
まだ雪に埋もれた山頂駅。
霞んでいても、悪くない景色だね。胸の高さに虎毛山。
反対側を眺めると、そこには、、、
広大な船形連峰。ここもだいぶ歩き回った。冬の『お菓子の家』(氷漬け状態になった山頂避難小屋)だけはホワイトアウトで撤退したまま。
次は大柴山を目指します。夏はさほど魅力のなさそうな尾根も、今は雪とブナの競演だ。まさにブナのシンフォニー♬♬
大柴山稜線は今が旬です。足回りはやっぱりアイゼンで十分でした。
ブナの細さ加減とモノトーンがたまらない。
もう一度、荒雄岳と栗駒山。さすがに焼石岳までは見えない。
1105mの大きなコブを越えると、大柴山が見えてきた。あんまり特徴的なピークではないが。
左には雪庇も出ていて、すでに落ちてる箇所もあり。念の為、右手の樹林寄りをゆく。時々穴も開いている。
山頂らしき盛り上がりになってきた。ブナも益々勢いが良い。
影の戯れ。
GPSを見ながら、最高地点を確認。ここがどうやら大柴山らしい。山頂標識もないですけど。
ガイドブックによると、「道の中央に三角点があるのみで展望はない」そうだから。
それでもまあ、沁み入るような達成感のある山頂でした。
往路を下山します。麓の少雪を感じさせないほどに雪はある。春の雪庇。
禿岳遠景。
すっかり雪の緩んだゲレンデを下っていく。スノーバスケットに乗っかる雪が重たい。
よくよく考えてみれば鬼首カルデラを取り巻く山々は、いつ来ても誰にも会わない。夏の禿岳は例外だけど。とても良いフィールドなのです。
今年の積雪期は登った山が少なかったので、貴重な一登でした。
明日も登ります。