今年の冬は何が何でも森吉山に行きたい、華麗なるスノーモンスターを見たいと思っていた。チャンスは一度、四日休みになる二月のラストウィークだ。
問題はその時に好天が巡ってくるかどうかということ。
森吉山は樹氷パラダイス!
お金使わなくて悪いけど、歩いて登って歩いて下ります。
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)
注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。
【2023年2月24日(金)】 山麓駅駐車場6:45~ブナ帯登山口7:50-55~山頂駅9:00-10~石森9:55~森吉山11:00-20~森吉神社12:05-15~山頂駅13:00~駐車場14:00
行動時間7時間15分
遠征初日の昨日は栗駒山で烈風に追い返された。森吉山のついでに登ろうとしたから怒られたのかもしれない。ともかくそうして角館の宿に腰を落ち着けたのである。
金曜がダメなら土曜に登ろう、金曜に登れたら土曜は秋田駒だ。
角館からはR105阿仁街道をたっぷり1時間40分走っていく。まだ除雪車が行き交っていて、走る車すらない。そしてやっと着いた、森吉山阿仁スキー場。関係車両が停まってるのみ。
いよいよ森吉山劇場の始まりです。
ゲレンデ登高から始まるので、まず足回りはアイゼンでスタートした。このゲレンデは山頂駅まで細長く一筋続いている。はるばるやって来たのだから、ゴンドラで上がってしまってはもったいない。振り向けば昨日からの風雪が、景色を塗り直してくれたようだ。美しい。
圧雪車が登ったり降りたりしています。固められた端のほうを歩いて行く。
これが動き出すのは8時45分からなので、その頃には我々はトップで樹氷平を歩いていることになる、という計算だった。ゲレンデだけで標高差は630mある。
すばらしい青空になってきたが、山の上はまだ雲に包まれていた。風が心配、ガスも心配。
見上げているのはパラダイスコース。ここを登っていきます。雲の動きが気になる。
太陽が射し込んできた。霧氷の群れもお目覚め。関東甲信のスキー場とは景色も一味違うようだ。ところで、暑いです。防風・防寒対策をしてきたので。
順調に登っているのに予定時間オーバー、下から2時間かかってしまった。
山頂駅から係員が出てきて、案内板を立てていた。こちらを見て驚いた様子だったので歩いてきたと言ったら、「すごいですねえ」と言ってた。天気どうですかねえと聞くと、女性係員は「今日は晴れますよ!」と力強く言う。おじいさんのほうは「今日はいっぱい上ってくる。アイゼンもいらん」とのこと。
樹氷平周回コースのてっぺんから先が登山道になる。⚠マークの所から入る。
屋根から垂れてる雪が面白かった。
まずは樹氷散策コースを登ります。すでにモンスターたちが出迎えようとしていた。
そしてここが登山道入口、管理エリア外です。トレースがないので、ここでスノーシューに履き替えた。すでに一番乗りのスキーヤーが登ってきた。30分予定がずれ込みましたから。
世界が一瞬にして変わる。森吉山は日本三大樹氷に数えられる。後の二つは蔵王と八甲田山。西吾妻は入ってません。森吉樹氷がどんなにすごいのか、これから目の当たりにします。
待ち望んだ太陽が、モンスターを照らし出す。歩くペースは遅くなり、カメラを出したりしまったり、また出したりする。だから夏のコースタイム1時間10分なんかでは行けないのである。
美しきかな。
ここまで来てよかったわ。
後続はほとんどスキーの人たちで、スノーシュー組はさらに遅れてやってくる。
1308m石森分岐に着いた。山頂へ続く雪原にはまだスキーの跡もない。旗竿ポールがコース誘導をしていた。
とてもなだらかな、森吉山の全景。大斜面に棲息するアオモリトドマツが、全部スノーモンスターと化している。自らの影を引きずりながら動いているようだ。
ではトレースをつけていきます。
すぐに立ち止まってしまった。
遠くに阿仁避難小屋の屋根が見える。そこへたどり着くまでに、いろんな景色がぎっしりと詰まっています。
蔵王や西吾妻ほど密でないのも個性的だ。エレガントな美しさがある。
後ろからもぼちぼちと登ってきます。それがまたここでは絵になる。
阿仁避難小屋ですね。
だいぶ埋まってます。
モンスターにも種族があるのを感じる。
なかなかすっきりとは晴れ上がってきません。
トレースもまだ定まっていないから、ある程度は自分で決めていきます。
撮影会をしながら登っているので、なかなか着きません。
やっと上の方に何か見えてきた。あのもっこりが山頂かもしれない。
これはもう、この上ない天気ですね。
白い地球儀のようなランドマーク!
なんという自然の力、自然の造形か。
森吉山、ここにあり。
これが裏側、じゃなくて表側です。
6年前の夏の写真ですけど。
遠い夏の日、はるかな森吉山。
そんなふうにして念願の冬の森吉山に登頂しました。もうこれ以上何を望んだらいいのか。樹氷が織りなす、夢のような世界・・・
もう少し写真を並べたいので、後半の下山編につづきます。