猪苗代湖南東の額取山・高旗山・権太倉山を三連続登頂した翌日は派手な山に登りたかった。
しかし当初予定の未丈ヶ岳も、次案の北那須周回も、雪が積もったのなら先送り。
地味に阿武隈山地南部にある、宇津峰と蓬田岳を登りまくることにしました。
国道49号のロードサイド、こんなロケーション。
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)
注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。
1.宇津峰 【2021年10月24日】
市民の森駐車場6:15~足尾神社登山口7:20-35~宇津峰8:30-35~駐車場9:15 行動時間3時間
須賀川市と郡山市の境界にあるが、メインエリアは須賀川市になる。市民の森から行きます。
トレイルがたくさんあるし初めてだし、どう登ったらいいのか見当がつかなかった。ヤマップで適当な周回コースを見つけたのでパクることにした。まず足尾神社口を目指していく。
埋平(うずだいら)集落の入口に道切りを見つけた。疫病の侵入を防ぐためのもの。
朝の埋平集落を通り抜けて。ここは新奥の細道になっていて、時々コースサインもあった。
集落の南のはずれに来たら、なんとなく見覚えのある風景が。
仙道三十三観音はランニング+自転車で巡礼したことがある。273kmの旅路だった。ここまでやってきたことも断片的な記憶しか残っていない。
さらにゆくと、貴人塚という石祠があった。非業の死を遂げた高貴な方の墓だという。
延々とロードをたどること一時間、鳥居の建つ足尾神社登山口に到着。ここから登ります。
ここは宇津峰の南尾根ともいうべき位置にある。しばらく登ると、足尾神社の石祠が日向ぼっこをしていた。ワラジや金の鳥居が奉納してある。
馬車道という分岐があった。もう少し上には馬車道新道というのもあった。いずれも地図には書いてない道だ。須賀川市民だけの散策路という感じがする。
おおむね気持ちの良い尾根道を登っていった。
尾根上の平坦地にひょっこりと出た。
宇津峰は山というよりも、宇津峰城址の国指定文化財「史跡宇津峰」なのである。ここも尾根というか曲輪のような趣がある。
その先に千人溜と呼ばれる石祠三つ。宇津峰山頂という標識は見当たらなかった。
676mの山頂の一角より、茫漠とした郡山盆地が眺められた。あまり感慨がないのは、山が深くないせいだろうか。西音森山を越えて駐車場へと下っていく。
3時間ちょうどだったが、そんなに歩いた気もしない。そんな宇津峰でした。
2.蓬田岳
ジュピアランドひらた駐車場10:00~蓬田新田コース~蓬田岳11:00-05~沢又コース下降~下蓬田登山口11:55-12:05~下蓬田コース~蓬田岳12:45-55~糠塚コース下降~T字路13:55~鉄塔下コース~駐車場14:45 行動時間4時間45分
ジュピアランドひらたという大きな公園施設に車を停めた。この案内板にも書かれた通り、4本の登山コースがあるので全部つないで2度登りします。(他にもサブコースみたいなのがある)
はい、ここが蓬田新田コースの登山口です。もう10時なので老若男女・ファミリーなどが、とてもたくさん登ったり降りたりしています。まずは最もメインコースから。
蓬田岳の取り柄の一つが、数多くの巨岩・怪石だろう。これがなかったらインパクトも乏しくなってしまう。阿武隈山地の特色かもしれない。
快調に登っていく。
ちょうど1時間で山頂に着いた。山頂手前の神社の所が見晴らしがよかった。登山者もだいぶ多いので、すぐに下ることにします。
まずこれが一度目の登頂。
東の方角には大滝根山が見えた。白っぽい部分が、あぶくま鍾乳洞あたりだろう。
山頂から少し戻った所に沢又コースの分岐があって、これを下っていく。山頂施設用の電柱コースだった。なので歩きやすくて、落ち葉を踏んでずんずん下っていく。35分で沢又登山口に到着。
驚いたことに、こっちにも車が4台停まっていた。1208は何のことか不明。
「ここから先は登山用歩道ではないため、関係者以外立入禁止」という札もあった。矛盾してる。
しばらくは車道を歩いて、下蓬田登山口へと移動する。途中から仰いだ蓬田岳は、意外なほど平らで素っ気なかった。
下蓬田登山口のほうは、まともな標識は何もなかった。ずいぶんと差がある。
作業道の奥で小さな流れを渡ると、立木に何か札が。
ということです。なんでしょうかねえ。
登山道も若干荒れ気味だったが明瞭だ。大岩の金比羅神社があった。
どうしてこんな岩の組合せができたのだろうか。しかも一段下の方にはロックゲレンデみたいな壁があるし。寄り道はしなかった。
実質的に今日の三座目ということだが、大きな疲労も感じずイーブンペースで登っていった。
このコースは40分の登りで山頂をゲットしました。まだお昼休みだけど、人影もなくなりました。
ふと気がつけば、神社の前のベンチ横に自然石の手水鉢があった。そのへんに転がっていた手頃な石を加工したのではなかろうか。とてもセンスがある。
もうちょっと先にモダンな山頂標識が立っておりました。
東北百名山・日本百低山・うつくしま百名山、だそうで。まあいずれにしても我々は、これから糠塚コースを下っていくのです。蓬田岳を完踏するために。
糠塚コースも奇岩に満ちていた。名札はないけれど、マッコウクジラ岩か。
岩だらけで楽しい。
途中に分岐標識があって、右が下山と書いてあったので従った。これは岩登りコースの派生ルートらしい。急峻だが、道は踏まれていた。ここにも岩あり。
岩小屋もあります。
メインコースと合流したらしい。よくわからないが。
その先に案内板があった。こんなにコースがあるならば、分岐ごとにこの案内板が必要じゃないか。
糠塚コースを下りきって、最後の鉄塔下コースに入っていく。このあたりも道標がないから地形図は持ってないと絶対だめだ。ジュピアランドに戻るこのコースは、もはや楽ちんなのかと思っていた。
しかし尾根筋ごとに立っている送電鉄塔をたどるので、その都度谷筋へも下る。激しいアップダウンが限りなく続く気がした。
でも体力的には思ったよりきつくなかった。たくさんの登り返しも、気持ちよく越えていくことができた。
ネバーギブアップだ。
最後の鉄塔をくぐったらジュピアランドが見えてきた。なんとも言えない、不可思議な山であった。
宇津峰と蓬田岳は気になって仕方ないわけだから、こういう形で力勝負で踏破するのが正解だった。
(一日一山一コースでは、老け込んでしまうよ)
平田ICから高速に乗ったら蓬田岳が見えた。夕空に浮かんだ雲が、蓬田の岩にそっくりだった。
おわり