取手の疱瘡神に願いを込めて | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

じっとしていても体の具合が悪くなりそうなので、軽く石仏巡りランニングに行ってきました。

疱瘡神(ほうそうがみ)という種類の石仏がある。そのほとんどは文字で疱瘡神と刻まれたもので、見た目には面白くもなんともない。ところが取手市には像容タイプのものがいくつか残されている。

なぜ取手なのか、それはわからないが。

ちなみに疱瘡神は疱瘡を駆逐してくれる神様ではなくて、疱瘡をもたらす正体とされる。

 

11.5kmの周回コース。実は4年前にも同じように走り巡ったことがあるけれど、もう忘れかけているし。

それに疱瘡をコロナに置き換えてみれば、これは不要不急の外出には当てはまらないだろう!

 

+++

鹿嶋神社(本郷3-11)  今回巡るのは5ヶ所で、キリンビール取手工場を中心として半径1.5kmの範囲におさまっている。まず鹿嶋神社から。

右は男神で幣束を持ち、左が女神で徳利を持つ。なぜかそれが定形となっている。この一基には強いインパクトがある。

 

隣の青面金剛と比べると見劣りするが。

疱瘡神の世界はすごい。

注連縄の上には疱瘡守と彫られている。赤い着色にも深みが感じられる。

 

鷲神社(寺田)  寺田の田園集落の鎮守である。涼しい朝の内にと思って家を出たが、すでに30℃近い。マスクも汗でぐちゃぐちゃで、窒息しそう。命を優先して、ずらす。

道脇に疱瘡神。

折れているのは地震で倒れたせいか。風化して淡い雰囲気になっている。

 

水神社(桑原)  ここも田園地帯だから暑さは変わらず。どこへ行ってもほとんど人には会わない。

これも定形通りです。

髪型も面白いし、田んぼに出る農家の人のようだ。

 

愛宕神社(桑原)  キリンビールの真東にある。ここは興味深い石仏が並んでいる。

まず疱瘡神。と言うよりも双体道祖神のような親しげな雰囲気だ。

青面金剛の庚申塔は頭部が三山型で珍しい。

成田山の不動明王。立体的で味がある。

そして鳥居を頂いた弁財天。これは美しい。

 

井野屋敷集会所(井野)  給水してから常磐線をまたぎます。ここと次の集会所に関しては、初めてだと場所が非常にわかりづらい。二度目なので迷わなかった。

中央に彫られている三玉大明神というのは、疱瘡退散の秘法を持しているという。

男神だけが立っているのは意味があるのだろうか。

 

川辺集会所(井野)  注連縄の飾りがおしゃれです。

持物が左右逆のようだ。

 

青柳鹿島神社(青柳1-3)  ここが最後の見どころとなります。

女人講中の造立による疱瘡神。子供を病から守りたい一心だっただろう。

今ではもう疱瘡神のことなんて忘れ去られているのだろう。時代も変わって、住む人も変わってしまったのだから。取手に像容の疱瘡神があることを知っているごく一部の人のみが、苦労して訪ねてくるのだろう。そんな微かな命脈も、いつまで続くことやら。

 

東口の駐車場に戻って終了。ちょうど2時間の酷暑ランニングでした。