楽古岳に時は流れて | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

はるばる海を越えて、日高の山を登りに来ました。

昨日は神威岳、今日は楽古岳です。

 

楽古岳の頂きにガスが去来する。至福です。

 

昨日の夕方、楽古山荘に向かう途中の林道から楽古岳が見えた。牛たちは楽古を毎日見てる。

とても格好のいい山だ。

これが楽古山荘。別荘かペンションのように見える。今夜は同宿者一名様(話し好き)。

壁にはこんなイラストマップがありましたよ。

 

本日のコース、手書きですけど。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2020年7月6日】  楽古山荘4:40~尾根取付点5:30-45~1317m肩7:40-50~楽古岳山頂8:15-35~尾根取付点9:45~楽古山荘11:00  行動時間6時間20分

 

今日も3時半に起床した。早立ちの原則と下山後の長距離移動を考えると、3時台に起きざるを得ない。

しかしだんだん体がそういう生活になれてくるものだ。

道内の登山口の登山者ポストは名簿形式が多い。記載内容的には非常に心もとないものである。

事前に道警に全日分の計画書をFAXしてあるから、その点は大丈夫。では出発。

 

楽古山荘から林道跡を少し進むと、さっそくメナシュンベツ川の渡渉点となる。登山靴では浸水必至だが、今日も渓流タビなので問題なし。

じゃばじゃばと。渡渉はこの後も何回もありますよ。

 

だいたいは川岸の樹林の中の細いトレイルを歩いていく。赤テープの目印を見落とすと時間をロスするから慎重に行かねばならない。

それでも今日のコースは昨日の神威岳よりはワンランク易しいので、気分的には楽である。

 

そんな歩きを50分で尾根取付点に着いた。沢筋をたどってから急峻な尾根に取り付くというのは、神威岳と似たような構成である。ちなみにこの地点は地形図の標高510mポイントであり、ヤマケイの分県登山ガイドは間違っている。このガイドには札楽古からの登山道も紹介されているけれど、それはもう廃道になった。さっさと改訂してほしいものだ。

 

本日の高低差は960mで、昨日よりも厳しい。けれど道がいいから登りやすいし、序盤は手を使うこともなかった。今日も履き替えて、タビはデポ。

朝の光が射し込んで、いい雰囲気になってきた。

 

今日もマダニ対策は忘れてないです。しかし二日連続でこんな急登を往復したら、体が何か言い出すかもしれない。今は大丈夫だけど。

 

最近は1時間で600mは登れなくなった。せいぜい450から500がいいところだ。まあ調子がすごく良ければ別なのですけど。

 

連日曇りという予報はハズレ続けている。今日も日高は晴天なり。

美しい樹叢の中をトラバースしていく。そして1317m肩に飛び出した。

 

肩からは傾斜も緩んで展望も抜群になった。襟裳岬へ向かって連なっていく稜線が見える。

ピラミダルな山頂が近づいてきた。しかしあれはニセピークに違いない。

 

もうじき山頂だと思うとわくわくします。

シャクナゲロードもあります。

 

頂へ向かって。ちょっとガスが湧いてきた。

最後はけっこうハイマツも深くなる。

 

左手の北の方角を見れば、今日も日高の山並みがごあいさつしてくれた。ガスに包まれてしまいそうなので、急いでまぶたに焼き付けた。

 

そして山頂標識が見えてきた。静寂の頂、楽古岳1471.4m。

本日も無事登頂!

地面に置かれた山名標識。アイヌっぽい感じだ。

 

学生時代の夏合宿の時は、このへんを整地してツェルトを二つ張ったのだった。その時は札楽古の登山口から登ったが、その道は今はない。再びここへやって来るとは夢にも思わなかった。

そもそも家内と日高の山に登ろうと思ったのは去年のことだから、人生とは不思議なものである。

 

晴れ上がらないガスというのもまたよいもので、下山にとりかかることにした。

転んだら洒落にならないから、足元をよく見て。

 

案の定、少し下ったら十勝岳方面が見えてきた。さすがにこの山まで再登しに来ることはないだろう。

日高はそんなに近くない。

 

朝よりも光のあふれる川岸を歩いてゆく。そして最後にまた渡渉。

 

ただいま~

 

さて今日は阿寒湖畔の宿まで移動します。天馬街道の野塚トンネルで日高山脈の下をくぐっていく。信じられない気分! 途中でもう一度楽古岳の端正な姿を見ることができた。

今日は山小屋ではなくて、旅館のふとんで眠ります。

 

つづく