アメリカの国立がん研究所が、

食品と寿命の関係について、

調査した結果を公表したという記事を読んだ。

 

約50万人を30年追跡調査するという、

とんでもなく大がかりな研究。

 

「超加工食品」を多く食べている人は、

そうじゃない人より、

女子14%、男子15%も、

「早死にリスク」が増えるとのこと。

 

超加工食品という呼び名を、

初めて聞いたので調べてみると、

「糖分」「塩分」「脂肪」、

そして添加物を多く含む加工食品、

ということのようだ。

 

たとえば、ポテトチップス、菓子パン、

カップ麺、冷凍ピザ、クッキー、

ビスケット、朝食用シリアルなど。

 

なかでも最も早死にリスクと関係があったのは、

加工肉や清涼飲料水で、

赤身肉も不健康食品と指摘されている。

 

これは何度も書いているけど、

僕は、少し前の調査結果を踏まえた、

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』

 (津川友介/東洋経済新報社/2018)

をバイブルにしている。

 

その本も食べないほうがいい食品はおなじで、

僕は読み終えると、

その内容にしたがって、

体に良いものだけ食べることにした。

 

それが初めての癌、

胃がんになった翌年の2020年のこと。

 

ところが相変わらず僕は間抜け。

添加物の多い、

粉末のコーヒーやミルクティーを、

能天気にずっと飲んできたのだ。

 

今日、記事を読んでハタと気づき、

自分のどうしようもなさに、

またまた呆れてしまったのだけど、

他にも何か「超不健康食品」を、

たぶん口にしている。

食生活を総点検しないといけない。

 

もちろん添加物の類いを、

完全排除することは不可能だけど、

とにかく、できるだけ体に良いものを食べること。

 

「命より健康が大事!」

「生きているかぎり健康でいたい!」

がモットーの僕にはそれが何より重要。

 

 

『サミング・アップ』(行方昭夫訳)

の今日読んだページから。

 

〈大都会の貧民の生活は全てが悲惨と混乱の状態なのだ(・・・)

 何の仕事もなく、あればあったでとても惨めな仕事であり、

 夫、妻、子、全て飢餓状態にあり、一生の最後でさえ

 貧困が待っているのみである(・・・)仮に革命でこれを直せる

 というなら、今すぐ革命が起きたらいい〉

 

貧しい人たちについて、

強い調子でこのように書く、

サマセット・モームを僕は信用している。

 

〈もしも人生に耐えられなくなったら、

 満足が行くように自分の役割を演じられない世の中から

 消える勇気を発揮すると思う(・・・)

 人生が苦悩と不幸以外に何も与えないとき、

 自分の意志で自分の命を絶つ人を

 私は是認するのみである〉

 

嫌なことばかりで、

八方塞がりの状態になったら、

この世という「檻」の中から、

逃げ出したくなるのは当然のこと。

僕も〈是認するのみ〉だ。

 

〈残念ながら、人間の愚かさは相変わらずで、

 今後とも戦争が国家を荒廃させ続けるであろう。

 生きて行くのに不適切な人が生まれることは

 変わらないであろうし、彼らには人生は

 重荷であろう(・・・)人間が所有欲を持つ限り

 (おそらく人間が存在する限り変わらないだろう)、

 人は弱者から奪うであろう〉

 

この本はモームが64歳のとき、

1938年に出版されている。

それから86年。

この先86年経っても、

この見方は有効に決まっている。

 

僕は若いときから、

この世にウンザリし続けて、

逃げ回るように生きてきたけど、

モームは、

〈この世に生きるという割に合わぬ仕事に耐え、

 少しはましな成果を挙げる〉

と思いつつ生きて、

芸術家として立派な仕事を成し遂げた。

 

モームや彼とおなじように、

真っ向からこの世に立ち向かった人たちを、

僕は心から尊敬している。