眼科。

 

とくに問題ないということで、

また6週分の目薬を受け取って帰宅。

 

それはいいのだけど、

午後の部に早く行くと、

老婦人がひとり居て、

入口のドアの前に、

並んでいるのかいないのか、

ハッキリしない場所に立っていた。

 

そこで聞いてみた。

「並んでらっしゃいますか?」

 

ハイ、という返事だったので、

僕は彼女の後ろに立った。

 

すると彼女は話しかけてきた。

「帽子かぶってマスクして髪が長いので、

 女のひとかと思いました」

 

歳をとるとシワくちゃになって、

男女の区別がつきにくくなる。

まして顔の半分以上を隠しているわけだし、

僕が女に見えても不思議はない。

 

僕は真っ当に受け取り、

次のように答えた。

 

「髪の毛は、無精なので、

 若い頃から伸ばしっぱなしなんです。

 学生時代、長髪が流行っていて、

 その影響です」

 

彼女はその返事で会話を終わりにしなかった。

そのあと長髪から、

「マッシュルーム・カット」

ビートルズの話題に展開させた。

 

そこでビートルズは、

僕が中学生のときに来日しましたと言うと、

私は高校生でした、と彼女は答えた。

 

僕はふとその気になって、

自分が生まれた年を西暦で言った。

彼女に生年を聞く気はもちろんなかったけど、

彼女は自分から、

僕より3つ上の年齢であると明かした。

そして、主人とおない年なんです、

と付け加えた。

 

僕は仕方なくご主人について尋ねた。

 

「ご主人はお元気ですか?」

「亡くなりました。企業戦士だったんです」

「じゃあ、過労死ということですか?」

「そうです。ずっと1日2時間しか寝てませんでした」

「うんと前の話ですか?」

「ええ、亡くなったのは40代のときです」

 

僕はやりとりをそこで打ち切りたかった。

ところが彼女はさらに続けた。

「部署は違いますけど、

 皇后さまとおなじところで働いてたんです」

 

そういうことを自分から言うということは、

彼女はいつも亡き夫の、

職場自慢をしているのだろうし、

僕はそんな人とは話したくないと思った。

 

しかし午後の部が始まるまで、

まだ時間があった。

会話は彼女がリードするかたちで続いた。

 

それからは、孤独死の、

気持ち悪い話題になったりしたので、

その内容はここには書かない。

 

しかし、それにしても、

あれやこれや自慢する人がいるけど、

そんな愚かなことをして、

虚しくならないのだろうか、

といつも思う。

 

〈才能があり、作家をしていられるという

 特別の人間であるが故に、普通の人が

 どういうものであるか正確には把握できない〉

 

『サミング・アップ』(行方昭夫訳)

の中でモームは作家について述べている。

 

僕は才能に恵まれてはいないし、

作家でもないけど、

やたら自慢したがるような人たちが、

〈どういうものであるか正確には把握できない〉

のは確かだ。

 

 

レジーナの選手の契約更新情報が、

今日ようやくクラブの公式サイトに掲載された。

 

今日は第1弾、9名。

その中に近賀ゆかり選手の名前もある。

 

最近はベンチ外が続いているけど、

試合に出る出ないに関係なく、

彼女はチームを支える大黒柱。

彼女の代わりは今もって居ない。

 

来季も彼女が現役なのは非常に心強い。

 

 

川村拓夢選手のメディカルチェックや、

トレーニング風景などを紹介した、

FCレッドブル・ザルツブルクの、

公式動画を観た。

 

素晴らしい!

 

CTのような検査をしているところを、

撮っているのもスゴイと思うけど、

とにかく、新加入選手がどんな感じの人なのか、

早くそれなりの情報を得たい、

ファンの欲望を満たす動画だ。

 

サンフレッチェもその手の動画を、

なぜ撮らないのかと思う。

ファンサービスも「本場」に負けている。