昨日スーパーに出かけたので、
今日は何も用がない。
終日引きこもり。
いつものように、
朝のルーティーンを終えると、
昼寝して読書とお絵描き。
最近、なるべく毎日、
絵を描くようにしている。
立ちはだかる壁を乗り越えたい。
それが理由。
もう1年以上、おなじ壁が、
行く手を遮っている。
週に1、2度程度描いて乗り越えようなんて、
甘ったれるんじゃない!
やっぱりそうだよな、と思って、
襟を正したのだ。
読書のほうは、
読みかけの2冊を読み進めた。
絵に力を入れているので、
いまエピクテトスまで、
手がまわらない。
しかし少しでも本を読むと、
何かしら勉強になるものだ。
今日もささやかな収穫があった。
『詩という仕事』(鼓直訳)から。
〈時とおおよそ同じほど劫(こう)を経た、薔薇色の都市〉
(A rose-red city, half as old as Time)
(Dean Burgonの詩「ペトラ(Petra)」より)
要するに〈half as old as Time〉という表現が、
時をよりいっそう長く感じさせる、
という話なのだけど、
ボルヘスは次のように説明している。
〈もし詩人が"A rose-red city, as old as Time"と
書いたとしたら、何も書いたことにならないでしょう。
しかし、"half as old as Time"という言い回しは、
絶妙な精確さを印象づけます〉
僕はその表現のしかたも、
そのあとに出てくる、
〈私は永遠と1日、あなたを愛します〉
(I will love you forever and a day)
というふうに使われる、
永遠を強調する、
一般的な英語表現との、
〈forever and a day〉も知らなかった。
ちなみに〈劫を経た〉(長い年月を経た)も、
知らなかった。
長いこと生きているのに、
無知もいいところというか、
本当に知らないことばかり。
ただ、そういった表現に関しては、
勉強にはなったけど、
作為的すぎる印象を受ける。
僕のフィーリングには合わない。
なので使うことはない。
『サミング・アップ』(行方昭夫訳)から。
〈イギリス人は、エリザベス朝には多少違っていたにせよ、
好色な民族ではない。イギリスでは恋愛は情熱的というより、
感傷的なものである。(・・・)性行為が不快なものだという
本能的な感覚を抑えられない。彼らは恋愛を情熱というより
慈愛とか情愛として捉えようとする〉
こちらも初耳。
僕は好色に関しては、
剥き出しにするのも抑えすぎるのも、
いかがなものかと思う。
なのでその見解が的を射ているなら、
多くのイギリス人とは肌が合わない。
今日も坦々と生きた。
限られた時間の中で、
粛々と勉強し表現した。
ひさしぶりにポール・ニザンの、
『アデン、アラビア』の、
冒頭の文章を真似しよう。
今日が物足りない日だったなんて、
誰にも言わせない。