レジーナ中村伸監督の退任会見が行われた。

 

同席した雨野裕介強化本部長の、

次の発言が心に沁みた。

 

〈当時は(レジーナの)クラブハウスもなく、

 ファミリーレストランで編成会議をし、

 2人で全国を駆け巡り、選手1人1人に我々のコンセプトと

 中村監督の人となりを含むサッカー勘をぶつけて

 選手を勧誘しました。これは中村監督の人柄がなければ、

 オリジナルメンバーは集まらなかったと思います〉

 

〈当時〉というのはもちろん、

レジーナ結成前年の2020年のこと。

選手集めをしたのはたぶん夏以降。

 

〈サッカー勘〉は「サッカー観」だと思うけど、

それはさておき、そうやって苦労して集めた選手の中に、

近賀ゆかり選手を始めとして、

優れた選手が多くいたこと、

そして中村監督ほか首脳陣が有能だったことで、

〈この3シーズン、クラブ・チームとしての成長率は

 WEリーグ屈指だと思っています〉

と雨野さんも言うように、

女子トップリーグのチームとして、

恥ずかしくない実力を備えるまでになったと思う。

 

僕はレジーナに多くを期待してなかったけど、

今のこの「強さ」はやはりうれしいし、

すべての関係者に感謝している。

 

それから雨野さんは次のような発言もしている。

 

〈ここから更にこの成長率を上げるため、

 クラブは次のフェーズに進むことを決断しました。

 中村監督が築き上げてくれた土台に、上積みできるよう、

 クラブとして前進していきたいと思います〉

 

僕はこないだ中村監督の契約は、

最初から3年と決まっていたのでは、

と書いた。

 

しかしこの発言を聞くと、

絶対とは言い切れないけど、

クラブは彼にとりあえず3年は任せよう、

問題ないならさらに、

と考えていたように思える。

 

そして常勝軍団にするためには、

中村監督ではもうひとつ物足りないので、

昨日発表されたけど、

彼にはスキッベ内閣の「構成員」になってもらって、

レジーナは新しい監督にまかせたい、

ということでは、という気がする。

 

監督を代えるのは、

僕も書いたように当然のこと。

雨野さん得意の、

新井直人選手を引っこ抜いたような、

目の覚める人事を期待したい。

 

とにかく素晴らしいスタジアムができて、

WEリーグ年間観客動員記録を更新し、

広島の地が女子サッカー文化の、

日本一の発信地となるための、

第1歩を踏み出すことができた。

 

「サッカー王国」広島の務めとして、

中四国九州に女子プロチームが、

ないといけないということで、

レジーナは創設されたわけだけど、

理想的な流れになった。

次期監督には大いに期待したい。

 

 

この3年で成長した選手は?

という質問に対して、

中村監督は日本代表に選ばれた、

上野・中嶋両選手のほかに、

わが柳瀬楓菜選手の名も口にしている。

 

〈あえてあげると小川・柳瀬ですかね。

 あの2人はチームに来る前から期待しかなかったですが、

 経験値はゼロに近い状態でチームに入りました。

 そこからチームで成長してくれた選手だと思います。

 チームを引っ張れる選手ではなかった2人が、

 試合を重ねるごとにチームを引っ張ってくれる選手となり、

 メンタル含め強さを身につけてくれました。

 その2人の成長は嬉しかったです〉

 

柳瀬選手が褒められたので嬉しく思ったけど、

それはさておき、

小川愛選手は慶大から、

柳瀬選手は藤枝順心から、

ともに新卒で広島にやって来た。

 

たしかに新人の頃は、

2人ともまだ「ひよっこ」だったし、

当時をあらためて振り返ると、

立派になったものだと感心する。

 

 

またサッカーの話になってしまった。

 

今日は昨日に続いて、

サマセット・モームの考えについても、

書こうと思っていたけど、

長くなったので別の機会にしよう。

 

 

退任会見のコメントは、

サンフレッチェの公式サイトより引用。