昨日、島田雅彦さんの著書で、

いちばん最近読んだのは、

『深読み日本文学』

と書いたけど違っていた。

 

今日、あらためて書棚を見てみると、

奥のほうに綺麗な単行本がある。

もしかして、と思って手に取ってみると、

そちらのほうが最近だった。

 

『君が異端だった頃』(集英社/2019)

 

読み終えた日付けは、2019/9/23。

その年の夏を通して、

なぜかヤケに美味しかった、

ビールや缶酎ハイが、

なぜ急に味気なくなくなったのだろう、

と思い始めていた頃だ。

 

以後、酒はずっと不味く、

それからひと月くらい経つと、

胸全体が痛み始め、

そのときはそんなこととは思わなかったけど、

あとで振り返ると、

明らかに胃癌の兆候だった。

 

その本の装幀はケチのつけようがない。

装幀者は水戸部功さんという人。

1979年生まれ。

多摩美の情報デザイン科で学んでいる。

優秀なデザイナーだ。

 

その本も開いてみて驚いた。

 

〈歩行と思考は分かち難く結びついており、

 人は歩いた距離に比例して賢くなり、

 多くを発見し、進化する。ルソー、ランボー、

 ボードレール、いずれも孤独な散歩を通じ、

 自らの身体に自然や都市を通過させ、

 表現を模索していた〉

 

そちらでも「散歩哲学」が語られている。

 

他に目に留まったのは、

帯にも引用されているけど、

次の記述。

 

〈正直者がバカを見るこの国で本当のことをいえば、

 異端扱いされるだろうが、それを恐れる者は

 小説家とはいえない〉

 

僕はプロの小説家ではなくて、

アマチュアのブロガーだけど、

バカにされても異端扱いされても、

とにかく自分が思ったことを、

正直に書くことにしている。

 

あと僕は本を読み始めた、

つまり「物ごころ」ではなくて、

「芸術ごころ」がつき始めた中学生の頃から、

権力に迎合するなんて冗談じゃない、

と思って生きてきた。

 

その意味で、国から勲章をもらっている、

島田雅彦さんも池澤夏樹さんも、

もちろん瀬戸内寂聴さんのような人も、

全面的に支持するわけにはいかない。

 

 

『散歩哲学』からはこちらを引用する。

 

〈神に向かい合う回路が開ける者は強い。

 最終的にめげないのは、超越的なものに

 直談判できるコネを持つ者である。

 特定宗教の信者になる必要はない。

 教祖の命令に従わなくても、

 教団に献金しなくても、

 自分専用の神を持つことができる〉

 

〈自分専用の神〉、言い換えれば、

「内なる超越者」を持って、

その超越者の声をつねに聴くこと。

そうすべきだと僕も思う。

 

 

サンフレッチェはルヴァンカップ初出陣。

1stラウンド2回戦の相手はJ3「奈良クラブ」。

 

J3だからといって、

甘く見ると痛い目にあうけど、

何とか勝つことができた。

終盤に得点をかさねて、

スコアは6-0。

 

収穫は何と言っても、

怪我で長いこと離脱していた、

ピエロス、マルコス両選手が復帰したこと。

 

ともに後半10分からの出場だったけど、

仲良く1ゴール決めたのも朗報。

これで攻撃も多彩になるし、

決定力不足も解消されるはず。

優勝を狙える態勢が整った。

 

ゴールシーンをすべて観た。

4点目のヘディングシュートをアシストした、

マルコス選手のピンポイントクロスが、

僕的には最も印象的。

 

僕は今季のキープレーヤーに、

マルコス選手を挙げている。

そのプレーを観てもやはり彼は別格。

 

もう離脱しないでほしいけど、

今日は良からぬ想像はしないことにしよう。