脚の痺れがいっこうに回復しないので、

桜の名所にもう出かけることはできない。

 

そこでiPadminiの「写真ライブラリー」に、

たくさん保存されている、

5年前の桜の満開の時期に、

「鹿島城山公園」で撮った写真を眺めて、

花見気分に浸ることにした。

 

その中の「最高の」1枚をここに貼ろうと思った。

ところがアップしようとしても、

いつものようにうまくいかないのだ。

 

ブログのアップロード機能に頼らず、

直接コピーすれば貼れるけど、

それだと「プレビュー表示」されない。

お手上げ。

残念だけどその方面に詳しくないのでしょうがない。

 

その写真には、遊歩道を歩く、

若いベトナム人女性2人が写っている。

大柄なチェックの赤いシャツと、

黒のマイクロ的ミニスカートというお揃いの恰好。

周囲には満開の桜の樹々。

 

彼女たちは僕が勤めていた会社の、

取り引き先の社員食堂で働いていた。

「働いている」ではなく過去形なのは、

法的年限がとっくに過ぎているので、

もう帰国しているはずだから。

 

職場は城山公園の近く。

休日だった彼女たちが花見に誘ってくれた。

 

2人は日本語が上手い。

とくに片方の10代の女性は、

まるで日本人。

 

日本語の検定試験は受けないの?

と訊ねたら、

漢字の勉強をしたくないので、

受ける気はないです、

という返事がかえってきた。

 

彼女たちは会うと何でも話してくれた。

もう1人の20代になったばかりの女性は、

結婚していて、

夫はベトナムで仕事をしていた。

 

ところが夫は、

妻が日本に行ってしまったので、

不倫三昧。

彼女もそれを知っていて、

帰国したら離婚すると言っていた。

 

ところがところが話をよく聞くと、

彼女も日本で不倫をしていたのだ。

相手はやはり日本で働くベトナム人。

職場は群馬だったか栃木だったか。

離婚したらその人と再婚すると言っていた。

 

そんなことまで話してくれた。

 

10代の女性の彼氏もベトナム人で、

千葉の大多喜に職場があった。

ときどき鹿島に来るということなので、

どうやって来るの?

と訊ねたら、

東京駅まで行ってバスで来ます、

ということだった。

 

普通は大多喜から鹿島に行くとしたら、

電車で五井か大原に出て、

内房線か外房線で千葉に行って、

そこでまた電車に乗り換えて、

佐倉ー成田ー佐原ー鹿島神宮前、

というルートにするだろうけど、

佐倉から総武本線と成田線に分かれていたり、

成田止まりや空港行きもあるし、

佐原止まりもあるし、

外国人には東京駅から直通バス、

のほうが分かりいいかも知れない。

 

彼女たちとは多くの時間を、

過ごしたわけではないけど、

僕的には心の通う、

あたたかい人たちだった。

 

写真を貼れないのが本当に残念だけど、

その写真を眺めていると、

彼女たちは間違いなく僕の宝物、

だと思った。

僕が人生で得た数少ない宝物。

 

 

彼女たちとはもう会えない。

でもいい。

キザな言いかたをすれば、

心の中の宝物が、

なくなることはないから。

 

 

 

写真を貼ることができた。

容量が重すぎたのだ。

ネットで半分に減らしてみると、

あっさりとアップロードできた。

 

思えばこの写真を撮ったのは、

胃がん手術の約1ヶ月前。

その頃のすぐれなかった体調も思い出した。

何もかもが懐かしい。