本を注文した。

 

『天はあおあお 野はひろびろ 池澤夏樹の北海道』

 (池澤夏樹/北海道新聞社/2024)

 

いつものようにアマゾンに通常便で。

池澤夏樹さんの大ファンだけど、

この本のことは昨日まで知らなかった。

アンテナが鈍っている。

 

池澤作品は最近の小説以外は、

ほぼ全部読んでいる。

いまも書棚には数10冊の著書が並んでいる。

 

小説を読んでないのは、

小説自体に関心が薄れているから。

この本はエッセイ集なので即注文した。

いつも迅速なアマゾン便。

今回も素早く届けてくれるだろうか。

 

なおこの本には、

水越武さん(1938〜)という、

北海道在住の写真家の、

作品も何枚か掲載されているとのこと。

そちらの批評は届いたときにする。

 

ネットの写真で見るかぎり、

カバーデザインはいただけない。

買う気が起きないレベルだけど、

池澤作品なので、

だから買わないとは成らない。

 

池澤さんの本を注文したので、

彼の過去の本に、

何かブログネタはないかと探してみた。

 

前にも別の本で探したことがあるけど、

今回は、

『知の仕事術』(集英社インターナショナル新書/2017)

で1つ見つけた。

 

〈最もアイデアが湧くのは、実は書いているときだ〉

 

三島由紀夫も似たようなことを書いている。

僕もこのブログを毎日書いているので、

これはよくわかる。

 

書く前にそれなりに準備し、

こんな感じで書こうと、

あるていど予定を立てていても、

いざ書き始めるとまるで別世界。

予定とは異なる展開になることが多い。

 

その引用文は次のように続く。

 

〈書くというのはすなわち考えることで、

 時間をかけて少しずつ構築していくような

 大きなグランドデザインであっても、

 書きながら考えることがほとんどだ〉

 

書くことは考えること。

書かないと考えることにならない。

考えないと成長しない。

新しい風景を目にすることができない。

だから僕は書き続けたい。

 

年齢は関係ない。

おなじ場所に立って、

おなじ風景を眺め続けるなんて情けない。

 

何度も言っているけどまた言ってしまった。

 

 

サグラダ・ファミリアが、

2026年に完成するという記事を読んだ。

 

完成はまだまだ遠い先のこと、

と思い込んでいたので驚く。

 

僕がサグラダ・ファミリアを訪れたのは、

1980年代の半ば。

「とうもろこしタワー」内側の1階は、

正面入口のステンドグラスだけが綺麗な、

閑散とした工事現場といったおもむきだった。

 

誰も働いてないし、

資金難とも聞いているし、

この調子では100年経っても出来ないだろうな、

と思ったものだ。

 

それが40年で完成。

世の中、どう移り変わるかわからない。

そのことがこの件でも証明されたかたち。

 

 

その旅行のとき、

電車でバルセロナからパリに向かった。

発つ前にあらためてサグラダ・ファミリアを見に行った。

 

もうバルセロナに来ることはない気がした。

なのでガウディ渾身の表現を、

もう1度目に焼き付けておこうと思ったのだ。

 

最後のシーンを覚えている。

地下鉄の入口の傍に立って、

僕は長いこと「とうもろこし」を眺めた。

 

勘は当たった。

バルセロナはその後訪れる機会がなかったし、

体力的にも経済的にも、

もう海外に行けるはずもない。

 

 

『ウォールデン 森の生活』(今泉吉晴訳)

今日も良い言葉に遭遇した。

 

〈あなたは、与えられた才能に上手に従って

 生きればいいのです〉

 

念願の大学生になったものの、

その先どう生きていいかわからなかった、

どうしても生きたいという気持ちもなかった、

しかし三島由紀夫や川端康成の後を、

追う勇気もなかったその頃の僕に、

そしてその頃の僕に似た今の若い人たちに、

その言葉を伝えたいと思った。