朝食のとき「アバタロー」チャンネルの、

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー著、

『ウォールデン 森の生活』

について解説している動画をたまたま観た。

 

その本は読まなければと思いつつも、

根っから怠惰な性格のせいで、

今日までスルーしてきた、

数多い名著のうちのひとつ。

 

解説を聴いていると読みたくなった。

 

ちょうど、いま読んでいる『鉄道大バザール(下)』の、

次に読む本をぼちぼち決めなければ、

と思っていたところ。

 

グッドタイミング!

 

さっそく小学館文庫の上下巻を、

アマゾンに注文した。

 

 

2020年に蔵書整理をし、

半分以上の本を手放して、

いま手もとにあるのは、

安物のスチール本棚5架を、

ちょうど埋めるくらい。

その中に読んでない本はたくさんある。

 

整理したときは、

もう新しい本は買わないで、

その未読本を読めばいい、

と思っていた。

 

とくに池澤夏樹さん個人編集の、

河出書房新社版日本文学全集。

 

しかし人間は変わる。

一時の思いが、

いつまでも続くとは限らない。

というか全然長くは続かなかった。

 

いま現在、読んでいる本にしても、

『鉄道大バザール』は、

たまたま蔵書から選んだけど、

併読している、

『エピクテトス 人生談義』は、

持ってなかった。

そして次の本も買うことになった。

 

1冊買えば未読本を1冊見捨てることになる。

それに限度はあるけどカネもかかる。

しかし直感を優先するしかないし、

ずっと行き当たりばったりで生きてきた。

それでいいと思っている。

 

 

昨日からの流れで、

今日も片岡義男さんの本を、

拾い読みした。

 

すっかり忘れていたけど、

『町からはじめて、旅へ』(晶文社/1976)

の中に脱脂粉乳にまつわる記述があった。

 

〈脱脂粉乳は、なんとも言えずまずいものだった。

 しかし、まずい食べものに対して体ぜんたいを

 なれさせるという点では、小学校低学年における

 このまずい脱脂粉乳の給食は、たいへんに効果的で

 あったはずだ。〉

 

僕は小学校の6年間、

ずっと給食のメニューだった、

脱脂粉乳を飲み続けた。

前にも書いたけど、

脱脂粉乳ほど不味い食品はない、

といまでも思っている。

 

しかしその文章を読んで、

僕も脱脂粉乳によって、

まずい食べものでも平気な体に、

させられたに違いないし、

美食とは疎遠だったその後の人生で、

貧しい食生活への不満が生じなかったのは、

味覚を鈍感にしてくれた脱脂粉乳のおかげ、

なんてことも言えるのかも、

と思った。

 

 

「読むダイエット」は、

第17回目「食べる本」(2023/03/09)。

次で終わり。

ラス前。

昨日も書いたけど、

もう終わりだなと思うと淋しくなる。

 

それはさておき、

 

〈美術も音楽も、そう文学も、そうなのだ。

 参加することによってわかる世界がある。

 参加することによって、なにがわかるのか。

 自分は孤独ではないことがわかるのである。〉

 

今日はこの意見に注目した。

そのとおりだと思う。

 

僕は音楽に関しては、

モーツァルトがなぜ天才なのかも、

まるでわかってないド素人だけど、

美術はいちおう専門家だし、

文学も若いときから親しんできた。

 

なので長いこと、

好んで1人暮らしをしているけど、

僕も自分が孤独じゃないことを知っている。

 

僕にも美術や文学の、

偉大すぎて近づきがたい、

しかしつねに心の中で光を放ってくれている、

「身近な」師が何人も居る。

 

なので1人で生きている、

と感じたことはないし、

そもそも孤独だと感じるということが、

わからないと言ったほうが、

いいかも知れない。