八代亜紀さんが亡くなった。
こないだは坂田利夫さん、篠山紀信さん。
僕もいい歳になったのでしょうがないけど、
同時代を生きた人が次ぎ次ぎに姿を消していく。
淋しいことだ。
八代さんの記事を読んで、
遠い昔に彼女の絵を観たことを思い出した。
それがどんな絵だったか、
すっかり忘れている。
興味が湧いて、
彼女の絵をネットで検索してみた。
たくさん表示された。
いくつかクリックして、
サイズを大きくして眺めてみる。
上手すぎ!
描写の才能に恵まれた人だ。
モチーフを無闇に描くのではなく、
必要な情報だけ選択して、
シンプルにそのものらしさを表現する。
そういう能力も実にすぐれている。
ただ手放しで賞賛はできない。
猫や馬の描写を観て感じたのは、
「自然な感じ」がもうひとつ足りないこと。
簡単に言えば見方が浅いのだ。
猫の場合だと、
体毛には方向性がある。
つまり「流れ」がある。
その流れを表現するとき、
普通に描くと流れすぎてしまう。
なので流れすぎないように、
充分に意識して描く必要があるのだけど、
その意識が欠けているのだ。
馬の場合は、
ひとつ言えば、脚の関節が弱い。
これは馬の骨格、
つまり内部構造に対する認識が甘いからだ。
ひとつあった紙風船の絵は、
紙風船が鉄のかたまりのようになっている。
これも表面の現象は上手に捉えているのだけど、
モチーフの性質にまでは視線が注がれてないのだ。
あと、モノと背景、
すなわち「図と地」の関係が理解できてないので、
良く言えば不思議な絵画空間だけど、
ふつうに言えば、
モチーフを描くことで一杯々々の、
苦しまぎれの表現になっている。
彼女の絵の多くは油彩画。
水彩の風景画も少し観たけど、
風景ではなく、
油彩画でたくさんモチーフにしている、
猫や馬を水彩で描いて、
背景にはあまり手を入れず、
モチーフの周囲は後方に逃すだけ。
そういう水彩画を描けば
(僕はいま中村愛さんの絵をイメージしている)、
彼女の優れた描写の才能が、
最高度に発揮されたのでは、と思った。
いずれにしても彼女は、
まともに勉強していれば、
素晴らしい画家になっていたのは間違いない。
残念なことだ。
今日の驚き。
サンフレッチェが湘南から、
大橋祐紀(ゆうき)選手を獲得したこと。
朝起きてすぐにネットを覗くと、
獲得が決定的みたいな記事があって、
まさかと思ったのだけど、
昼頃には正式な発表があった。
驚いたのは、
昨日、1次キャンプ(1/15〜26)の、
選手の人数が明らかにされていたせいもある。
その数字は所属選手の総数。
当然ながら、
もう補強はないんだなと思っていた。
しかし大橋選手は昨季2ケタ得点した、
有能なフォワード。
サンフレッチェは得点力不足が大きな課題だけど、
彼を起用するとなると、
昨季以上に前線の選手があぶれることになる。
全員をうまくまとめることができるのか、
ちょっと心配。
ま、それはそれとして、大橋選手は、
数クラブの争奪戦を制して獲得したようだ。
今月で離任する足立修強化部長は、
素敵な置き土産をしてくれた。
大感謝!