本日公開されたホリエモンチャンネルの、
渋谷のハロウィンについて、
堀江さんが解説した動画を観た。
僕も過剰な警備態勢は困ったものだと思う。
しかし、これはもう、世の流れだろう。
受け入れるしかない。
その昔、ピアノ殺人があった。
その事件などを切っ掛けに、
家の外に音を漏らしてはいけない、
ということが一般常識になっていった。
僕が大学生の頃、
アパートのおなじフロアに、
尺八を吹く人が住んでいて、
僕は毎晩のようにその演奏を耳にした。
アパートの近くには、
しょっちゅう大音量で演歌を流す家があった。
今ではあり得ない。
風鈴だって軒に吊るさないし、
公園の子供たちの楽しそうな声も、
うるさがれるようになった。
音だけでなく匂いや煙もそう。
道端に七輪を出してサンマを焼いていた、
日常風景は消えた。
煙草はどこでも吸えなくなったし、
庭先でバーベキューをしても苦情がくる。
新幹線で匂いのきつい弁当を食べてはいけない。
それも話題になった。
思いつくままに書いたけど、
「クリーン」な世界になることを、
多くの人が望んでいる。
なので規制は徐々に厳しくなる。
そしてクリーンと背中合わせの、
息苦しさが増していって、
そのうち酸欠状態になる。
そうなるまでに名案が浮べばいいのだけど。
その動画によると、
堀江さんは今日が誕生日とのこと。
そこで僕は堀江さんが塀の中に居たときの、
誕生日がどんな感じだったか気になって、
ともに獄中日記の、
『刑務所なう。』(文藝春秋/2012)
『刑務所なう。シーズン2』(同/2013)
をひらいてみた。
堀江さんは長野刑務所で、
2度誕生日を迎えている。
最初は2011年、39歳のとき。
〈あぁ、40歳の誕生日もここで迎えるのか・・・、
そう思うとちょっと切ない〉
その記述が印象的だけど、
ちょっとどころではなかったのでは、と思う。
収監はその年の6月。
4ヶ月経っているわけだから、
落とし入れられた怒りは、
ほぼ収まっていただろうし、
すでに「達観」の境地に達していたはずだけど、
その時点で刑期満了(2013年11月)までまだ2年ある。
2年先なんて、はるか彼方と感じていたのでは。
40歳の誕生日の日記には、
前の年のような悲観的なムードはない。
実際、刑務官にハッピーバースデーを歌ってもらって、
〈昨年の切ない誕生日とは違う賑やかな日となった。〉
という記述もある。
とくに何を知りたかった、
というわけではなかったし、
収穫と言えるものもなかったけど、
再読していちおう満たされた気持ちになった。
ついでに、堀江さんに支給された食事。
2011年。
【朝食】
・麦メシ+みそ汁+納豆+きゃらぶき
【昼食】
・パン+マカロニサラダ+マーガリン+小倉あん+牛乳+チーズ
【夕食】
・麦メシ+生揚げあんからめ
+ほうれん草とベーコンのガーリックソテー
2012年
【朝食】
・麦メシ+おかか佃煮+鯛みそ
【昼食】
・ツナカレー+和風サラダ+福神漬+桃缶
【夕食】
・麦メシ+荒巻鮭+生揚げあんからめ+林檎重ね煮
僕はそのメニューを知ったとき、
うらやましく思ったものだ。
書き忘れていた。
堀江さんは2013年3月27日に仮釈放されたので、
41歳の誕生日は塀の外で迎えた。