『アレクサンドリア四重奏』(高松雄一訳)

を読んでいると、

〈交合は大衆の抒情詩だとボードレールは言った〉

という文章が出てきた。

 

「訳注」を見ると、

出典は「赤裸の心」とある。

 

「赤裸の心」は若いときから、

繰り返し読んできた作品。

そんなこと書いてあったけ?

 

確認したくなったので、

さっそく『ボードレール全集』(人文書院)を、

書棚から取り出した。

 

すると全48章中の、

39番目の章に書かれていた。

 

〈野蛮な人間のみが、よく欲情する。

 性交は民衆の抒情である〉(矢内原伊作訳)

 

〈交合は大衆の抒情詩だ〉

という表現だけより、

前の文章と一緒のほうがわかりやすい。

 

といっても、 

なるほどうまいこと言うもんだ、

と感心するほどでもない警句だけど。

 

僕の読解力不足なのだろうか。

 

それはそれとして、「赤裸の心」の冒頭に、

僕にとって非常に耳の痛いことが書かれていた。

 

〈誰でも、面白く語るすべさえ知っていれば、

 自分自身について語る権利がある〉

 

面白く語りたいのはヤマヤマ。

いつも意識はしている。

しかしどうにもならない。

 

僕は、よせばいいのにと思いつつ、

単に自分自身のことだけでなく、

個人的すぎることもよく書く。

「すぎる」ときはとくに、

ひとひねりした語り口にしないとつまらない、

と強く思うけど、

どうしても気の利かない、

恥ずかしい文章になってしまうのだ。

 

まったくもって才能の欠如。

 

 

今日はヘンリー・ミラーの本もひらいてみた。

『南回帰線』(大久保康雄訳)に、

気に入った言葉を見つけた。

 

といっても、その言葉にはすでに、

赤ペンで傍線も引かれている。

最初はコーラルのマーカーで。

次に赤いボールペンで。

 

本来なら覚えてないといけない言葉だけど、

またまた忘れてしまっていた。

 

〈ただ大海のまっただなかにある

 幸福な岩のように生きるだけだ〉

 

英語だと次のとおり。

 

〈You live like a happy rock in the midst of the ocean.〉

 (『Tropic of Capricorn』Flamingo/1993)

 

こちらは素晴らしい警句だと思う。

 

 

今日は斉藤優汰投手が、

ウェスタンリーグのオリックス戦でデビューした。

 

先発し初回だけ投げ、

3被安打1被本塁打2奪三振2失点。

打たれたけど三振もとって、

勉強になったのでは。

 

試合後のインタビューで、

ストライクのとれる変化球を身につけたい、

と述べている。

 

変化球は何種類か投げられるようだけど、

精度が足りないということだろう。

 

ま、彼にかぎらず、何か変化球で、

いつでもストライクがとれないと、

プロではやっていけない。

 

400勝した金田正一投手は、

持ち球がストレートとカーブだけ。

しかしストレートは抜群に威力があり、

カーブは落差が大きくて、

ストライクが面白いようにとれ、

打者のタイミングも狂わせた。

 

そういう例もある。

斉藤投手はタイプが違うけど、

早く壁を乗り越えて、

400勝(!)に向かって羽ばたいてほしい。

 

今日は育成高卒新人の辻大雅投手もデビューした。

9回1イニングを投げ、

無安打1与四球1奪三振無失点。

立派すぎ。

 

まだ体ができてないけど、

彼も楽しみだ。

 

 

今日はアップが遅くなってしまった。

理由は次のブログで書く。