今日の言葉。
〈木を植えるのにいちばんよかったのは20年前だが、
次にいいのは今日だ。〉
(The best time to plant a tree was 20 years ago.
The second best time is now.)
中国のことわざとのこと。
知らなかった。
いま読んでいる、
『AGELESS ー「老いない」科学の最前線』
(A・スティール/依田卓巳他訳/ニューズピックス/2022)
に出てきた。
英文はネットで拾う。
感想はとくにない。
うまい表現だと思う。
こちらのマルティン・ルター(1483〜1546)の、
言葉は知っている。
遠い昔、開高健を特集した雑誌に載っていた。
〈たとえ世界が明日滅びるとしても、
私は今日、リンゴの木を植える。〉
(Even if I knew that tomorrow the world go to pieces,
I would still plant my apple tree.)
和訳は吉田泰郎さん。
こちらもネットで見つけた。
吉田さんによると、
「今日」を付け加えたほうが、
より内容が伝わるとのこと。
確かに。
この言葉を知ったとき、
そういう状況になったら、
何もしないで酒を飲んでいたいな、
と思った。
僕はそういう人間だった。
今そうなったら、
ブログを書くかも知れない。
「終焉」なんてタイトルをつけて。
絵もおそらく描く。
夢中になって、
「うーん、今日も思い通りにいかない。
でも、明日はもう少し上手く描けるかも」
なんてつぶやきながら。
『AGELESS』は残り1割のところまで来た。
あと30数ページ。
今日読んだ中では、先の言葉のほかに、
「称賛」されることが健康にいい、
という話をネタにしたくなった。
チェスのチャンピオンは、
並み外れた体力を持つ、
トップアスリートとおなじくらい長生きする。
ノーベル賞受賞者は、
ノミネートされても受賞しなかった人たちより、
1〜2年長生きする傾向にある。
ということが書かれている。
褒められるとうれしくなり、
生き生きした状態になる。
頂点にいる人たちは、
褒められることが多いわけだから、
いつも生き生きしていると言ってもいい。
だから長寿になる。
よくわかる。
要するにみんなナルシスト。
僕はナルシストではない。
なんて言うと、
認識不足と笑われるに決まっているけど、
たとえばこのブログ、
文章上手いね、
なんて褒められても、
うれしくも何ともない。
未熟なのがわかっているから。
とても敵わない人を知っているから。
ま、褒められたことはないけど。
絵は褒められたことがある。
美術とは無縁の人にも。
美術の世界にいる人にも。
専門家に褒められても、
もちろん舞い上がったりしない。
その場から逃げ出したくなる、
あるいは話題を変えたくなるだけ。
理由は文章とおなじ。
ま、しかし、称賛されて健康になれる人は、
しあわせだ。
僕がそういう世界の人間でなくなったのは、
美大受験で自分の才能のなさを思い知ったこと、
そして受験生活を「卒業」してのちに、
ドストエフスキーを読んだことが、
大きな切っ掛けだと思う。
しかし、人生のその「歩み」が、
正解だったとは思わない。
僕はナルシストではないから。