坂本龍一さんが亡くなった。

 

すごく寂しい。

今日1日、沈んでいた。

 

坂本龍一さんとは同学年。

彼は1952年の早生まれ。

僕は1951年の遅生まれ。

 

おなじ「全共闘世代」という印象を、

僕が最も受けてきたひとだ。

 

実際、坂本さんのような雰囲気の生徒が、

僕の高校のクラスメイトにはたくさん居た。

もちろん坂本さんは新宿高校。

僕は「ド田舎」広島の高校。

彼のように垢抜けたひとは居なかったけど。

 

とにかく、いちばんの仲間に、

旅立たれたような気分。

 

ちなみに、内田樹さん、中沢新一さん、

高橋源一郎さんは僕の1学年上。

おなじ全共闘世代なのに、

なぜだか、本当になぜだかわからないけど、

坂本龍一さんほど仲間と感じない。

 

 

坂本さんといえば、

僕的には何はさておき『戦場のメリークリスマス』。

 

しかし僕は1983年の公開時に、

映画館に足を運んではいない。

数年遅れでレンタルビデオで観た。

 

観たころ、僕は映画を勉強中の身だった。

それまで映画に興味がなくて、

ほとんど観てなかった僕に、

映画をたくさん観たい、

そして映画芸術を理解したい、

という願いが、

アラフォーになってようやく芽生えていた。

 

ということで『戦メリ』も、

坂本さんの音楽は心に沁みたものの、

残念ながら映画の内容を、

充分に理解したとは言えない。

 

だから、いつかもう1度観て、

理解を深めたいと思い続けてきたのだけど、

今日までその機会を持てていない。

 

 

上の絵はおととしの今ごろ描いた。

襟の幅が違って見えたり、

他にも、今ならそうは描かない、

という箇所もあるのだけど、

そのときはその表現がいっぱいいっぱい。

別に恥じることはない、と思って載せた。

 

いちいち恥じていたら、

絵だってこのブログだって、

公開なんてできやしない。

 

不完全な、しかしいっぱいいっぱいの自分を、

堂々とさらけだせばいいはず。

 

 

最近フリーになった武田真一アナが、

坂本龍一さんから個人的にもらった、

心に残る言葉を明かしている。

 

〈自分にとって大事なことを、

 これだけはやりたいということが

 自分の未来を拓くのではないか〉

 

名文ではないけどもちろん意味は伝わる。

未来を望ましい方向に拓くカギは、

言うまでもなくそれ以外にない。

 

 

坂本龍一さんと並んで、

最近亡くなったひとで、

惜しいと思うのは、

テレ朝の川村晃司さんだ。

 

おなじ番組に長く出演した大下容子さんが、

〈権力におもねらないひと〉

と賞賛しているけど、

頼りがいのある好漢、という印象を僕も受けていた。

 

1950年生まれの川村さんも全共闘世代。

〈権力におもねらない〉その世代の精神を、

生涯貫いた川村さんも坂本さんも立派だと思う。

 

その点に関しては、

ノラリクラリ生きてきた僕も、

対岸からの賞賛ではなく、

おなじ岸に立っているつもり。

 

 

2人が去って、

大江健三郎さんも居なくなって、

世界はますます寂しくなった。

 

自分にとって最も大事なことを、

やり続けて耐えていくしかない。